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Re: チョコレート【笑と甘さを詰め込みました】 ( No.3 )
日時: 2013/12/07 13:41
名前: のら (ID: A6qXPnRR)

【第二話:SugarWorld】


【それではいってらっしゃいませ】


なんて言われて突き進んでみたものの…。


「ずっと同じ景色だよ!!」


空から絶え間なく降り注いでいる、わたあめとキャラメル。

そりゃぁ、初めこそは感動したし喜んでたけど…。

今となっては非常に邪魔な存在である。

わたあめとかベタベタするし…しかも顔に張り付くし。


「あ〜っ、もう!うっとうしい!邪魔」


もがけばもがくほど、ベタベタとまとわりつくわたあめ。

…ねぇなんで?

お菓子の国って重力とかそういうの無視してるんじゃないの?

夢の国じゃないの?

…すでに私はゴキブリホイホイ状態なんですけどね!?


…あぁ、ゴキブリっていえば

アリとか虫とかは1匹もいない。というか見当たらない。


そういえば


【もう少し進めば仲間がいますよ】


って書いてあった。


仲間?私の他にも誰かいるってことなのかな…?


これ以上、歩きまわるとほんとにこの世界を食べつくしそうで怖い。


甘いクリーム出出来た誰かのお墓や

可愛いチョコチップクッキーで出来たお城とか


…人として食べちゃいけない大切なものを食べつくしちゃったよ…。

しかも、お墓食べちゃったし…美味しかったし。


というか、お墓ぐらいちゃんと石で作れ!!


「何もないし…いや何もないわけじゃないけど人はいないし…」


そろそろ仲間が現れてもいいのでは?

歩き疲れてしまった。


私はふと目にとまったお菓子の家に無断で入った。


…なぜか、ここに入らないといけないような

そんな気がしたのだ。(単なる言い訳)


ギィィィィィ…。


なんでお菓子で出来てるのにそんなサビ付いた音がするんだろう…?

バグったのかな?なんて事は考えないでおこう。


「ふわぁぁぁ…!」


家の中は生活感がまるでなかった。

というか、人が住んでいる気配もなく、まるで私を待っていたかのような…そんな雰囲気を漂わせていたのだった。


「可愛いお部屋…!」


可愛らしい壁紙は全て板チョコで。

天井から下がっているシャンデリアは金細工の飴で。

テーブルとイスはクッキーで。

ベッドはフランボワーズが縁取ってあるケーキで。(しかもベタベタしないんだよ!!)

ライトは果実の実の部分をくり抜いてある可愛いもので。

本棚は色とりどりの大きなアイスクリームで。(さすがに本はお菓子で出来ていない普通の紙だった)


「すっごぉい…」


なんだか幸せな気持ちになって


暖かくなって


そのまま、ベッドに横になった。


ここにあるのは甘い幸せ。

ここにあるのは甘くて美味しい、砂糖の国だけ。