コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 琥珀ノ末裔 *泣きたくない* ( No.107 )
- 日時: 2014/01/27 21:11
- 名前: 瑠々奈 (ID: qdhAso1A)
toハルカ
どうしよう・・・・・・
もし、このまま誰も見つからなくて、ギルドひとりになっちゃったら…?
ううん、それは、あたしが怖がってることだから…違う あたしの自己都合だ やっぱり自分勝手
でも…、そうじゃなくて——…もしも、みんな…誰も、見つからなかったら どうしよう
みんな何処に行ったの……?
あの時——…私が
でも 今更後悔したって遅すぎるのに
こんなことしているのがじれったい
今にも飛び出したいのに
でも 何もできない
自分だけじゃ、無力すぎて、何もできやしない
ただ——…あたしがやるのは
この紙が燃え尽きるのを、見守るだけ……
だけど
今、出来ることをしよう
今、私に出来ることをしよう
出来ることを考えよう?
きっと 今なら、出来る
「つきました」
一日馬車に乗って着いた場所…見えない国 黒黎ノ王国
——ここで。今、できることをしよう。
「ハルカ、ティンク起して」
ウララノに指示されて、ティンクを起す
馬車で、あたしが持っている黎命の紙を頼りに、見えない国までやってきた。
馬車の外から見える風景は、暗くて 本当に 陰の国って感じだった。
色の無い モノクロ世界 いざと見て見ると さびしすぎる気がする。全部同じ色だし、白と黒では表せる限度が違い過ぎる。
何にも、矢印とあたしたちの色が過敏過ぎて 逆に目立ちすぎる。
「起きて! ついたよ。ティンク。」
数回揺り起こすと、やっと起きた。
ティンクは小学四年生だ。馬車の適度な揺れは、結構大きく、快適とは言えないのだが、疲れたのだろう
「…あ!すみませんハルカ先輩」
と、飛び起き、馬車から飛び降りた。
「わ!」
あたしは驚いてしまった。
何故にも、黎命の紙の上に、立体的に浮かび上がる、矢印。それは、青白い光を放っていた。
「こっちへ行けってコトだね」
ルリナは笑うと、その矢印の方向へ突き進む。
が、ウララノが声と表情には出さないが、ものすごいオーラで、ルリナを追い越し、先頭を行く。
「…そろそろ やばいかも」
。独り言 。
でも、そろそろ 本当に大変かも。
だって、命の紙…黎命の紙が、本当に消えかかっているから。
カイ と書かれたマスは、まだ文字が見えるほどしか欠けていないのに、ミコト と書かれたマスは、もう欠片だ。
アサギとサギリのも、ミコトとほぼ同じだった。
でも一番重大はミコトだった。
「……急ごう」
ユキヤが、あたしの後ろから 先頭へ駆け抜ける。
ウララノに話し、スピードを上げるようだった。
「馬車でこればよかったのに・・・」
ティンクが口をとがらせる
「でも、馬車の中の時だって無茶苦茶だったじゃない。テキトーに、世界地図みて、その見えない国がある方向に突っ走るんだから。 この矢印、馬車の中じゃ見えないし」
サイテー!と、矢印に怒っても 仕方がない。
「ねえ…反応してる」
黒の廃墟ビルの目の前で、矢印が反応した。
「ええ?!」
先頭を行くみんなが戻ってきて、矢印を覗く。
矢印は、此処だ此処だと示すように、赤色にピカピカと光ると、次第にしぼんでゆく
「…じゃあ、此処?」
とりあいず、その黒の廃墟ビルに入ってみることにした
——
「ボロボロじゃん」
「当たり前です。ルリナ様、これは廃墟ビルですよ」
と ウララノ きつい一言
この廃墟ビルに一言 「ボロクソ」
当たり前だけど 何もないし、コンクリートも今にも落ちてきそうで 足元も頭上も危ない
「…ここ 違うっぽいよ?」
あたしがそう言った瞬間、矢印が浮かび上がって
「わ!」
ティンクが、右向いてるよ!と駆け出す。
「待ちなさい!先頭は、あたしよ」
ルリナも追いかけるけど どっちもどっちなんだけど?
と、言えるワケでもなく・・
「とにかく ここは違うんだな」
ユキヤが、アスファルトの破片を蹴りつつも、ウララノたちを追いかける
最後尾を行くあたしだけど、みんな矢印持ってるあたしが後ろで良いのか?
「ちょっと!ウララノ!!右じゃない!左?違うって まっすぐ!!」
叫ぶハメに。
しかたない。
追いかけて走り出すハルカである。
——
「…ここかあ…!なんかここっぽいね」
ルリナが笑って見上げたのは、真っ黒で、細く円のカタチをした上に高い建物。
何ならぬ感じの家。囚われてる人が居る〜みたいな 只ならぬ空気が流れている。
「ぎゃ」
さっきまでピコピコしてた矢印も ものすごい勢いで周りはじめ…
「わわ!ハルカ、大丈夫?」
ルリナが慌てて 真っ赤になって燃え上がりそうな矢印を引っ張って真っ直ぐさせようとするのに 言うことを聞かない
「え!」
あたふたするティンクに、何とかしようと立ち上がるウララノ。
だが どちらも意味なし
燃え尽きてしまいそうだ。
矢印の向きは 狂ったように↑↓→←とくるくるとする
「いよっ!」
ハルカが力を込めて、矢印を掴み、
——パキッ——
「えっ?」
ユキヤまでもが振り返って、折れた矢印を見る。
何にせよ、真っ二つに 矢印が折れてしまったのだ
「もういいわよ。だって することないし」
と ルリナは能天気に言う
「…入ろう」
ユキヤが、コンクリートを触ってみるが、あまりに頑丈そうで・・・
「どこに入口あるのかな?」
ティンクが攀じ登ったり、何度も一周したりするが、入り口 と呼べるものは見つからず
「皆!隠れて…着てるよ」
ウララノに言われて、近くの黒い茂みに隠れた。
「入りまーす。例の者でーす」
怪しげなトラックの者たちが、そう言った瞬間、コンクリートの一部が、暗闇で飲まれた
「いまだ!後ろからついていくぞ」
ユキヤが指示し、みんなトラックのスレスレに立ち 追いかける。
「わ」
あたしが入ろうとしたときには、もうぐにゃりと 次元が曲がりだし、コンクリートに化かしてしまいそうだ。
「ハルカ先輩 危ないですっ!」
ティンクが、ハルカの手を掴み、中に引きこむ
「…ふう、あ、ありがとう!」
無事、中に入れた。
「大丈夫ですよ まだまだ これからです!」
そう元気に明るく言うティンクがうらやましすぎた