コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 琥珀ノ末裔 *泣きたくない* ( No.114 )
日時: 2014/02/01 10:16
名前: 瑠々奈 (ID: qdhAso1A)

toハルカ

いつの間にか、身体が硬直して動かなくなっていた。
今できることが、全く見つからない

何もできない。動けない。
…何もしなくて、良いの? あたしは 必要ない?

幾ら、暗い部屋で見えない扉を触覚だけ頼りに探ったとしても、もう何もなくて。暗い部屋に独り閉じ込められた そんな気がして

・・取り残して、行かないで。

あたしは ただ一人になりたくなかっただけ・・?そんなの、自己チュー。

……助けなきゃ。

仲間を、助けなきゃ。

皆、強くて、ちょっと特別で、力を持った者で。
誰かの秘密ばかり知っていたあたしだけど。

カイは、専門的な、超エリートの、瑪瑙界の研究師の父を持ち、おまえも研究師になれ。その圧力とプレッシャーに耐えられず、トクベツ という身に悩んでた。

ミコトは、元から種族で、力を持った特別な者で、力も強くて

サギリだって、トクベツな力を持った者だから、ミコトの暴走を防ぐために居た。

あたしは…。フツーの、陰陽師
あたしの周りは みんなトクベツなんだよ。皆トクベツすぎるんだよ。前は悲しくて、ちょっといやだった。

でも…

でも あたしは、トクベツって言われたくない。差別とか区別とか、されたくない。
違う…。

みんなトクベツなんかじゃない。あたしもフツーじゃない。トクベツじゃなくてフツーじゃなくて。
皆一緒。

皆一緒だよ。

周りで皆反撃していく。

(狙えるかも)
いま、みんな硬直したあたしを見据えて、他の者をねらって打っている。
たぶん向こうも相当やばい状況なんだろう。
だから、硬直して無防備なあたしに殺ってこない。

いきなりあたしが動き出しても 皆反応できない

「よし・・・」
独り気合を入れて、カンナたちの後ろに回る。

すると、7つの棺のようなものに、人が一人ずつ入っている。

「なに…これ」
ほとんど死体のようで、顔が真っ青になっているものもある。

…でも

「まだ生きてる。」
僅かだけど 誰からも呼吸を感じられる。

目を閉じる

アイト アイシュ ユウユ ノゾミ ミコト アサギ サギリ

「…」

アイシュ アイト アサギ サギリ ノゾミ ミコト ユウユ

——————
toミコト

皆の顔も 名前も 自分からしてどんな人間だったかは覚えているのに

ひとりひとりがくれた 温もりだけを 忘れてしまった。

記憶を失い

誰を信じ

誰が自分の味方なのか

誰が自分を信じているのか

解らなくなっていた

温もりだけが 頭から捨てられていた

「…っ!」
油汗が噴き出している。

「…は、夢…」
あまりにリアル過ぎた夢に、思わず微苦笑する。

安心感と疲れに、起き上がる

「お、起きた?大丈夫?魘されてたけど」
ハルカがのんきに言う。

…なら、起してよ。
そう思ったが、起したら夢の続きが見えないんだ。


周りが隠す、秘密。

みんなの陰謀が、最近発覚してきた気がする。

なんか、私ひとりが、差別化されて立ってるってか。そういう。

「おーい!ハルカあ、ミコト! あ・た・ら・し・いメンバーが来るぞ。それに 元帥の仕事も いきなり降ってきたんだ!」
声が聞こえて、わたしは、さっと瑠璃色の正装に身を包む。

——
「新しいメンバー?」
ハルカが言った。

「そうだよ。クララギ様が言ってた」
と、カイが言う。

「アサギは?」
わたしが言うと、カイが答える

「ん〜。アサギは正式な紫咲ノ幻影ギルドじゃないから 来ないんだと思うけど」
と言う。
私たちの足は、自然に講堂へ行く。

講堂に、全ギルドの者は集まれないので、居るのはギルドだけだ。

「陰陽師ランク新進気鋭初段の、マガナと、」
「マコトです」
…双子?

一卵性なのだろう。顔がソックリ。
男女なのに どっちがどっちか・・・。

微妙に、わたしに似ている気がしないでもないんだが。それは関係ない
。整った美形の顔立ちだが、どこか魔術師の陰謀…

まあつまり、暗い、闇っぽいイメージがする。

「小学四年です。よろしくお願いします」
と、同タイミングで頭を下げる

「覚醒7級陰陽師の六年、カイだ。このギルドのリーダー。よろしく」
カイが、いつもの陰陽師用語になる

「銀河6段陰陽師の、ハルカです!六年です。よろしくお願いします」
と、ぺこりとハルカが頭を下げる

「彗星8級陰陽師の、ミコトだ 小学一飛び五年…。」
と、自分も 宜しく、と頭を下げる

「よろしくね。」
ニッと、マガナが笑った。

…そこまで、悪いヤツじゃないのか?

…わからなない

今いるカイやハルカも 良いやつなのかって言われると、分からない

自分からしてどんな人物だったかは覚えているのに

温もりを知らないから?