コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 琥珀ノ末裔 *泣きたくない* ( No.118 )
- 日時: 2014/01/31 21:57
- 名前: 瑠々奈 (ID: qdhAso1A)
- 参照: 117のパスワードがなんか違う…っ。修正できぬ。
toマガナ
「後でクララギ様の部屋に来なさいよ。念のために言うけど、絶対にミコトには言わないことね」
ハルカがそう言って、わたしの前を通り過ぎていく。
ハルカは、これからウララノ様とパトロールに出かけるのだという。ウララノ…。誰かよくよくわからない…。が、とりあいずは頷く。
クララギ様は、こちらへ越すとき、手続きを踏んだ時などに、お目にかかったり、直接しゃべったこともあるから、顔まで思い浮かぶのだけれど…。
「……ミコトさん?」
なぜ、ミコトだけにダメだというのだろう。カイやマコトならいいのか。
訳が分からない。
ミコトは、お屋敷外の植物園の整備を任されていて、夕方の水やりをしているはずだ。
後でクララギ様の部屋に来いって・・。後でって何時?
とりあいず、身支度をして、クララギ様のお部屋に向かおう
来たばかりで、お屋敷の中で迷うもんだから ちょっとぐらい速く向かったっていいよね。
そう思って、わたしは瓶覗の間に向かう。
瑠璃の髪飾りを用意しなくちゃ。
帯をキュッとしめなおして、軽い足取りで向かった
——
「し、し、し、し、失礼します…」
わたしは、ちょっと…いや、ものすごく緊張しつつも、クララギ様の部屋にたどり着いた。
カギが閉まっているのではないか。と思いきや、やすやす開いたのもびっくりだ。
「…ん?ああ、マガナか。早いな。そこに掛けなさい」
と、クララギ様が、紫色の丸椅子を勧める。
「あ…!はい、ありがとうございます」
ぼけーっとしていたわたしも、あたふたと座る
「はやいな。ハルカの話じゃ、20分後なのだが」
と、クララギ様が、ニッと笑う
「え…。そうでしたか」
すみません と頭を下げる。
「そう緊張するでない。肩の力を抜いて 普通に接してくれて構わぬ」
と言う
案外ルーズな風景に、ちょっとはにかみわらう
「で、皆は?」
クララギの言葉に、わたしは言った
「ハルカ様は、ウララノ様とパトロール、ミコトさんは、お屋敷の庭の植物園の夕方の水やり、マコトはひとりで修行に向かいました。カイは存じてません」
カイ様は、どこに居るかわからない
「そうか。皆、もうそろそろ切り上げてくれると言いが」
と言うクララギ様に、わたしは言った
「鍵、開けたままで良いんですか?」
そう言うと、クララギ様は笑う
「大丈夫だ。緊急時に、報告や駆け込みが可能になるように、常に私は此処に居る。何かあったら来ると良い」
と頷いた
「…あ、あの。この、わたしがこの部屋に来ることは、ミコトさんには言っちゃダメって ハルカ様に言われたんですが」
と言うと、質問攻めか?と、クララギが答える
「そうか、ハルカのヤツ もうしゃべっていたか」
と、独りで言った。
「マガナにはとりあいず これから話すことを少し前持って言っておいてもいいだろう」
と言い、クララギ様は言った
「ミコトの素性についてだ」
口の端を歪めて、キッと笑った