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Re: 琥珀ノ末裔 *泣きたくない*【HAPPY!HAPPY!】 ( No.120 )
日時: 2014/02/01 10:47
名前: 瑠々奈 (ID: qdhAso1A)
参照: 117のパスワードがなんか違う…っ。修正できぬ。

toミコト

どちらかと言うと 喪失感でいっぱいになる。
今に やっと 記憶を失っていることに気付く。

私の肩を抱く皆の右手に込められた その現実感と喪失感でいっぱいになる。
皆の瞳が あまりに現実味を帯びすぎて。

失った記憶の一部は 沸々と甦ってくる。

ハルカがどんな人だったか。カイがどれだけの力の持ち主か。アサギはどうしてこの場に居るのか

クララギやウララノは誰なのか。

そう言った、自分の周りの人物の名前と主なことさえは分かるのに
今までもらったはずの温もり全てを喪失してしまった。

前ドコに行って誰かと何をしたのか。それは分かるのに その時の会話や嬉しかったことが消えてしまった
残ったのは、怖くて寂しくて ただ苦になる記憶だけ。

「ん…あとちょっと」
つぎは、ビニールハウスに水をやらないと。
屋上庭園やお屋敷の庭の植物園にはもう水をやった

あとは、この時期からイチゴを作っているビニールハウスと、そのほか温室で育てる植物たち。

水を汲みなおし、また花々に水をやる

人は どうして思い出したくもない、失敗や苦になる記憶だけを覚えているのだろう?

かつて誰かに言われた

それは 二度とその失敗を繰り返さないために 記憶を取っておくのだと。

「…綺麗」
ガラガラ と ビニールハウスの戸を開ける音がして わたしは振り向いた

「見学して 良いんですか?」
ちょっと変わった女の子だ。

この植物園は 入るのも自由だし 見学も自由 荒らすのもイチゴがりをするのもOK
まあ、荒らす人なんてほぼいないに限るけど。

「えへ、ここ 今日来たばかりなんです」
とその少女は頭をかく。

「そうか。自由に見学して構わない。いちごがりもやってるから、自由に食べてもいいよ」
と言うと、その少女は目を輝かせた

「ほんとですかっ?!うれしー。ちょっと 食べよ」
途惑いなくイチゴを取る
取り方は知っているようで、美味しそうなのを選んで食べる

「練乳もあるから 自由につけてね」
ちょっと 愛嬌ないしゃべり方だ。そう思って 語尾に「ね」を着けたりして、屋敷に入る前の自分になる。

ちょっと しゃべりにくいけど

わたしは、その少女に練乳をすすめる。

「ありがとうございます…。——おいしーい!!」
と、3,4個食べると、手を洗いながら わたしに言った

「その髪飾り 可愛いですね。失礼ですが お名前は…?あ、わたしはステラって 言います。小学一飛び五年生なんですよ。」
と ニコッと笑う。
ポニーテールに結った栗色の髪は、下の方が少し くるりとなっていて可愛い。

「わたしは、紫咲ノ幻影ギルドで、同じく小学一飛び五年の、ミコトだけど…」
最後の水やりまで終えて、手を洗う

「ミコトさん、ですか。宜しくお願いします」
妙に親近感がある

何だろう?

「じゃあ、一緒に帰ろう。とりあいず、クララギ様の部屋に行けばいいんじゃないか?」

———
toマコト

「ミコト…さんが?」
一通りクララギから話を聞き終わり 水曜の夜 毎回ここにきて、今聞いた秘密を守り、ミコトにばれないようにする。

そして ミコトの力が大爆発しないように見張る…

「ちょ、ちょっと凄すぎじゃないですか」
あまりのスケジュールに ちょっと驚く。

「ああ そうだな」
涼しい顔で、クララギが言う

「しつれーします!」
…人っ?

そういえば鍵ひとつかかってなかったからなあ。てっきり、自動でカギが閉まるタイプだと思っていた

「どうも…って 皆」
にっこり笑顔の少女の後ろから ミコトが顔を出す。

「ミコトさんっ!!」
椅子がひっくり返る

「うわあっ!!」
そのまま頭から床に・・・・落ちる

「大丈夫?」
ハルカが手を差し伸べてくれるが、カイとマガナは爆笑寸前!!

「お揃いで どうしたんですか?」
ミコトが 椅子に腰かける

「おお、ミコトもステラも丁度いいところで来たな」
と、着て当然とばかりにクララギが話を始める

「それがだな。このギルド、子分ギルドも作ろうと思ってなあ」