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Re: 琥珀ノ末裔 *記憶を失った少女* ( No.126 )
日時: 2014/02/05 14:53
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

toアサギ

「どうして・・・・」
誰も 助けに来てはくれない。

「急急如律令 耳」
この言葉も 無惨に あたしの耳に響くだけで。

「!!」
ミコトが キッと顔をあげて あたしを見咎めた

「…なんで 邪魔するの?」
———————
toミコト



知らず知らずのうち 口をついて出た言葉

そこに何かがある気がする 何か引っかかる気がする

でも・・。

目の前で アサギは 考え込むようなしぐさをみせ…

「急急如律令 呼 ハルカ!!」
わたしのこの状態を知ってか ハルカをよぶと言うのだ。


鋳薔薇に囚われた何かの先に 暗黒に沈んだ何かが見えようとしている…

「!」
薄ら、人の輪郭が浮かぶ。

もう少しで、浮かび上がる。その時———……!

「急急如律令 耳」
アサギが唱えた

(え…)

鋳薔薇も、その人も 全てが真っ暗になって消えた

記憶を取り消す術 それも一部の記憶だけ。
でも アサギの呪文は まだ半分しか効いていないから 完全に記憶が消えたワケではない。

ただ——…。記憶が薄らになってしまっただけで。

どうして…

アサギも わたしの記憶が戻るのを 願っているんじゃないの?

それとも、ただ わたしが甘ったれてるだけ…?

「どうして…。」

「…なんで 邪魔するの?」
意味が解らない

「…え」
アサギは、漠然とした

「なんで、わたしの記憶が甦ろうとするのを妨げるの?」
そう言うと、アサギは

「そんな、かかってたの…」
一瞬嬉しそうな顔を見せたが、私を見ると、目を伏せた

すると、ぐるりと左回りに円を描くように、3回まわると、唱えた

「自ら間違いを知り あるまじき行動に深き思い抱く者よ その罪を解放せよ」
アサギは、術を解いたのだ

(……!)

鋳薔薇がまた、記憶として 甦る。

「…マコト?」
———————
「なかなか いいカンジだよね」
ハルカは、汗をぬぐいつつ、看板を当てて、満足そうに言った。

フラワーアレンジメント講座

花で縁取られた看板には そう書いてある。
これは ハルカのお手製である。

この屋敷では、屋敷周辺の家の者に 楽しんでもらえるような企画を実施したりしている。

フラワーアレンジメントは、碧青国から入ってきたもの。
なかなかお母様方に人気なのだ。

「よし ドアに貼りつけちゃうか」
ポケットから接着剤を取り出す。



ガシャ———ンッ!!


———