コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 琥珀ノ末裔 *記憶を失った少女* ( No.127 )
日時: 2014/02/07 12:52
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

toカイ

恋は思案の外


別に 気になるヤツもいないし、愛だの恋だのに思いを巡らすよりも、修行をしたかった。

今 恋愛なんかしなくたって 良いだろって思うけど

「カイさーん」
戸の向こうから声が聞こえて、俺は、部屋の戸を開ける

「なんだ」
ステラの姿だった。

「どうした?」
ステラは あははと言った

「えーと、ここがどこか 解らなくなった…」
それでも 俺の部屋には来れたんだ

そう思いつつ、教えてやることにした

「瓶覗の間だろ?横だけど」
わざわざしゃべりに来たとしか思えない
なんでしゃべりたいのかも さっぱり解んないけど。

「あ、ありがと」
顔を赤くして 横の部屋の戸に 手をかけようと するが…

「あ、あんた鈍感!!ばっかやろー!!」
あぁ?

俺の耳に 鈍感!!とステラの声が木霊した。

コイツ…何様だ・・・・

「とにかく、今すぐ あたしがこの紙にかいたセリフを 感情こめてロマンチックに言いなさい!! ほら、早く!!あんたのためでも、ハルカのためでもあるんだよ」

肩を押されて、多目的室に行くように言われる

「何これ…」

明後日は、ハルカの誕生日だろ? 一緒に、街へ行こうぜ。
そうだな。AM10時、透銀駅ね。

(有無は絶対言わせない 行く行かないも言わせない ハルカにしゃべらせない すぐ背を向ける 帰る かっこよく もうちょっといいカンジに)

「あいつ・・!妄想し過ぎだろ」
俺が落胆すればするほど ()のなかの文字がもっと増えていくような気が——…。

気がするじゃない、増えてる。

…明後日

俺の誕生日…でも、あるんだけど。

——
toハルカ

「ハルカ!」

「わ!」
カイが背中をつっついてきて、看板を落とす。

「あ、驚かせた?」
なんで カイが。

「ごめんごめん。うまく行ってるかなー。と思って」
全く悪びれた様子もなく、看板を拾い上げる。

「接着剤で何とかできそうだな。」
うん と頷くと、

「怪我してないか?」
とこっちを向く

「あ、え、うん。」
何も どこも痛くない。。 やんちゃなくせに、何かと色々考えてるヤツだ。

「じゃあ これ、明日直してくるから」
と、欠片と割れた看板を拾い上げて 帰っていった

「え!!」
ちょ カイ!と呼びとめようとしたが・・

「明後日、ちょうど休みの日だろ? しかも俺ら 誕生日!街に出てみない? そうだなー。AM10時、駅前ね あ、もちろん 透銀駅 来ないなら言えよ〜」

「ちょ!」
まだ返事もしてないけど。

あたしの心は 行く気満々。 初めて 街に出てく っていう喜びと…あと、
少しだけ これって・・って 薄々感じてる

……、、ってヤツ?

今まで 全く感じたことも 考えたことも無い。

恋だの愛だの面倒くさい…そう思ってた。けど…気付いたら もう。

何となーく 不思議な…そんな。

2/10 明後日

カイの誕生日…。 ううん、それだけじゃない あたしの誕生日でもある。
なぜか 幼馴染でいて 家も近くで 誕生日も一緒。

何か したいけど………

「割っちゃったんですか?」
後ろから誰かに声をかけられて あたしは振り向いた。 もしかしたらカイかも…って期待もあって。

「ミコト……なんで、此処に?」
そう言うと、ミコトがにこっと笑った

「ハルカさん 探しに来たんですよ。なんか、悩みでも あるんですか?ちょっとくらい、聞きますけど」
と、割れた看板の破片を拾い上げて、後ろに居るマガナの姿を見せた

「…色々、聞かせてくださいよ?ステラも協力しますよ。やる気満々ですから。…アサギちゃんは 置いてきちゃったけど」
と マガナもにっこり笑った

「え——…」