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Re: 琥珀ノ末裔 *記憶を失った少女* ( No.138 )
日時: 2014/02/17 21:40
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

〜外伝〜 姫織ノ夢囚物語

これは昔の話

世界の果てで起きたこと。

姫織ひおりという美しい王家の姫が居た。
人気あって 妬まれることはなく、街の女性の憧れの存在であった。

だがヒオリには 影の存在もいた。

双子の妹。紫織しおり

シオリはヒオリと違って居た。特別美しい娘という訳でもなく、人気があって実力があるという訳でもない 故 知られていなかったのだ。

姉のヒオリがあまりにできる存在だったために シオリの存在というものが霞んでしまったのだ。

姉のヒオリを褒め称える両親やそれらの者たち。それにヒオリを妬ましく思ったシオリは ヒオリをこらしめよう と考えた。

「シオリーお茶持ってきて」
ヒオリが言った。

「分かりました」
シオリは いつの間にかヒオリのパシリ状況になっていた。
ヒオリは猫かぶって まわりの人間に良い姿を見せるくせに、いつもわがままでうるさかった。

なのにそれは まわりの人間にばれないのだ。
 

さらにシオリは ヒオリに対する恨みを持った。

「どうぞ」
お茶は、ずっと前に 腐らせた牛乳を混ぜておいた。この作戦をいつか仕掛けようととっておいたものなので もう1ヵ月はたったのではないだろうか。

色的には、お茶っぽくなってて 悪くない。でも牛乳なのだから すぐにバレるのだろうけど。腹具合こそ悪くなればこっちのものだ。

「…何これ まずいわね。」

「今、この暑さのせいでお茶も暖かくなっており 氷も不足しております。只今、ムリカがお茶の葉を摘みに行っております。もう少し美味しいものが飲めるかと。ですが それが飲めるのは日暮れになるかと」

そのあと ヒオリは腹具合を壊した。

だが両親や世話係などなど屋敷の者や まわりの貴族らがヒオリを看病し、2週間寝込むと おずおず動きだした

シオリの存在と王女であるということはすっかり忘れられ まわりの誰もがヒオリだけを気にかけていて 誰もシオリの方を向かない。


シオリは ついに ヒオリに姫の呪いをかけた。

姫の呪いはシオリが妬み恨み憎しみを帯びた分だけ ヒオリの命をすり減らす。

ヒオリは、蒼空ソラという愛す王族の王子と結ばれる約束となっていた。
ソラは昔 シオリと仲が良く、初恋の人でもあった。
だが いいなづけとして ヒオリと結ばれる運命に当たってしまった。それに対しても さらにシオリは 姫の呪いをかけた。

姫の呪いが大きくなり 姫の呪悪符の笛がシオリの手にかかった。

その笛を吹くと、姫の呪いをかけたヒオリを 黎未塔の最上階に閉じ込めることができた。

ある日、シオリはそれを使って ヒオリを黎未塔に閉じ込めた。
その塔の中では 正直になってはいけない術のなかに囲まれていた

自分の本当の気持ちを見つけると、そのまま塔から落ちて死ぬのだ。

ヒオリは、正直な気持ちにならぬばいいと、塔のなかで生き延びていたが、
ある日、外から街の活気な声と、ヒオリが知る、愛するソラの声が聞こえ、
そのソラを一目見たいと願い 塔から身を乗り出した挙句、
呪いがかかって ヒオリは塔から そのまま落ちた

そして ヒオリは死に、喜んでいた間際、シオリがヒオリの双子の妹だと分かると、王女となり 街に新たにシオリを讃える声が現れた。

だが 見落としていたことがあった。

最後に ヒオリの死ぬ原因となった姫の呪いは、呪いをかけた人間にもかかるので、姫の呪いがかかってシオリも命を落とした。