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Re: 琥珀ノ末裔 *記憶を失った少女* ( No.140 )
日時: 2014/02/18 20:09
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

toミコト

(一体、どこへ連れて行かれたんだ)

歯切れ良いリズム刻みの揺れの気持ち悪さに、目を開けた。

「うっ…」
息も出来ないあまりの苦しさに 意識さえもがフッ飛びそうになる。

「…やーだ 何よ。近寄んないでよね」
マガナの声に、俯せだった身体をゆっくりと起き上がらせる。

「お子様なんだから」
これでも子供だ。

ココ・・・ドコ。


気分が悪い。

頭が働くことを知らない

「いよっと」

「なっ!?」
ズ—————ッ!!

馬車から急に引きずりだされた。

というか マガナが、ふらついたミコトをドンと強く押したのだ。
今時珍しいアスファルトの上に 細かな小石が散らばっていて思いっきり左半身を擦った。

それに頭も打ったみたいで足も打撲っぽい状態。

「痛…い…っ。」
痛いなんてもんじゃなかった。全身に痛みが走って 起き上がれなくなった。

いきなり真っ白な世界に連れてこられたと思えばいつの間にか馬車の中、その上いきなり馬車から押されて落ちるなんて、いったいわたしは何をしたのだろうか。

「…ナツネ、カナツ 運んで」

『はっ』
髪をアップにして団子で結った 水色の長袖ワンピースに身を包む少女と、
この2月の寒さピークの季節にして有り得ない水色ノースリーブに水色短パンの服装の少年がやってきた。

民族衣装のようなものなのか。幾何学模様が藍色で施されていた。
そいつらは 近づいてきたかと思うと、そのまま自分を抱きかかえると そのまま遠く遠くへ運んだ。
抵抗も出来ずに されるがままにされた。
—————
気付けば 痛みはすっかり消えていた

「ミコト殿 大丈夫か」
女の子に話しかけられて 目が覚めた

あまりに寝心地の良い布団に、バッと飛び起きようとすると、急にミコトの目の前に女の子が飛び込んできた

「ミコト殿!!ハッキリ言うぞ おまえはバカか!!」
顔に似合わない言葉をハッキリかますと、またミコトの隣に正座した。

「へ…」
急な話におずおずと 布団に戻ると スパ———ン!!と襖があいたと思えば、怖い顔をした男が入ってきた

「父上!?」
女の子が飛び上がった

「ヒサメ!!何をしておる!ミコト殿にその言葉は似合っておるじゃろうが、幾ら本当のコトとはいえ、そのような無礼な言葉は言ってはならないのだ!」
…はあ。
・・ムカッ。

だって ミコト殿に その言葉は似合っておるじゃろうが。とか本当のこととは言えとか いかにも貶しているようだ。

それは プライド高きミコトを傷つけた。

ひげを生やしたオジサンに向かって ミコトが反発しようとするより先にヒサメが言った

「申し訳ありません。」

「いいだろう」
襖をしめ、静かに歩いていく。


「驚かせたわね・・。ここは メノウ宮殿よ。あなたなら知ってるかしら。そして私は、王女のヒサメ。よろしく申す」
ヒサメは言い切ると姿勢をまた正す

(メノウ、宮殿)

「琥珀国 彗星8級陰陽師 ミコトだ。よろしく」
ヒサメとはミコトと大体背格好変わらないから ほとんど年齢は変わらないのだろう。

「ええ、あなた「待った!!」
ミコトは思わず立ち上がった。

…ココ、メノウ宮殿


ココ、メノウ宮殿…


ココ、…メノウ宮殿


「ど、どうしてここにわたしが・・?」
何もしてない。何もしてない。

無力過ぎて何もできない。

ただ道を彷徨うことが出来ようと 手さぐりで探そうと ここには来れない。


何もしてない。

それなのに恵まれるはずがない

「…今から話しますよ」
横目で冷静に見られて 静かにミコトも座る

「…動揺するのはわかるわよ」
そう言われ、はあ。と頷く

「リク、入って。あ、それから例の方たちも上がらせて」

「了解!」
明るい声が聞こえて、また スパ———ン!と襖が開く。

「…今度は、なに。」


「僕はリク!ヒサメと手つながれし者の見習い政治師!!ま、人間なのね。一応 メノウ塔の王子」

「リクよ。あなたとテンションが似た人の様ね」
と 軽く笑うと、座るように指示する。

「次、入って」
ヒサメが指示すると…また スパーン!と襖があいて 見覚えのある顔が入ってきた






「…マコト…。マガナ…?」