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Re: 琥珀ノ末裔 *紫水晶* ( No.27 )
日時: 2013/12/14 12:45
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「行くぞ」

「ああ」
ミコトの冷静な言葉に、カイトがうなずいた。

『泰山府君祭』
五年生で習う。という、どこかからの脱出、鍵を開ける陰陽道の呪文である

この二人の力が、医術師である、リセナとサザンカの力を上回れば、この鍵はすぐに開く。

「…ん?」
カイトが、開いていないのか。と顔をしかめた。

「……開かない」
ミコトが、戸をがたがたと動かす…が、開く様子は全くとしてない。

「やっぱ、大人なんだよな。」
お屋敷に君臨するような医術師だし、いくら医術の勉強が主だったとはいえ、二人だって勉強はできたはずだ。
そしてカイトとミコトがいくら優秀だったって、経験豊富な大人の力には逆らえないのだ。

そのことを思い知らされた二人は、布団に戻ることにした

「はあ。おかげで疲れた。君も「ミコトだ」
また、私が遮った。
私は、ミコトと呼ばれるのが好き。

「ミコトも、無茶しすぎだ。」
と、カイトが言う。

同級生だから、言葉づかいも二人とも気安くて済むし、カイやハルカとまた違う友達ができた。

そう思うことにした
——
「…フン そんな脱出したいか。」
トキが、無愛想に言う。

トキとハルキが、医務室の戸を開かないように抑えていたのだ。

「………トキ、出してやろう」
ハルキが、その戸に背を預けて、言う。

「おまえ…いや、ハルキ…正気ですか?」
トキの鋭い視線に。

「ああ。これでミコト様も、霊力が下がった。と、落ち込まなくて済む」

がらがら

戸が軋む音が聞こえる
——
「ハルカ様、お聞きしたいことがあります」
翡翠の間に、アサギが着ていた。

アサギの印象は、ハルカからしてとても好印象に変わっていた

「なんですか?」
ハルカが言う。

「……この前の、ティンク様の話です」
というと…

「…ティンクごときに、様などつけなくてよい」
と、カイが、話は聞いている。と、ハルカの隣に座る。

「ティンクが、式神をやってくださいと申した後、ハルカ様はお話を聞いてらしたんですよね?」
と、ハルカに向かって、アサギが言う。

ハルカは無言でうなずいた。

「…どうして、式神は、式神はどうしてだめなのですか?」

「…神に了承もないうえ、無理矢理ミコトにやらせたティンクは許せない。」
ハルカはこうとしか言わないので、アサギがカイに目を向けた。

「…で、カイ様はどうして、お知りに…?」
と、アサギが言うと

「…式神が出てるから 反閇は唱えられなかった。それを見極めて、ハルカに問い詰めたんだ。」

「…すごいです!!」
と、アサギが目を光らせた。

「それで、お願いがあるんです。———ティンク様を、このお屋敷から「追放」してほしいんです。」

「え…」
アサギの言葉にハルカとカイが絶句した。