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Re: 琥珀ノ末裔 *忘れられた日* ( No.37 )
日時: 2013/12/20 20:57
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
参照: http://ねね

「…今日から新しく入る者を紹介する。」
講堂にて。
それは ハルカとカイが 小学五年生の頃。

クララギギルド長が、新人のお屋敷に君臨する方々(医務室の先生、ギルドの世話係・部屋係の人、学問を教える者 いろいろ)の発表をしたあと、つぎは新しいギルドの人を紹介するらしかった。

「左から、ユノ・アスカ・アオイ・ミコト・ユーキ」
ハルカの目は、ミコトにくぎ付けになった。

整った顔立ちだった。
ざっくり言えば 可愛い。美少女 と呼べき者だ。
真っ赤に燃えた朱色のつぶらな瞳は、引き込まれる。というべきか…。

今に口に出したりはしないが、そう認めた。

「それぞれのギルドを発表する。志海晴ギルド、ユノ。レビ咲黎ギルド、アスカ」

「泉ノ羽ギルド アオイ。紫咲ノ幻影ギルド、ミコト。星月珠樹、ユーキ」

「以上」
クララギが、舞台から降りた。

(……ちぇっ!)
ハルカはつまらなく思った。ハルカのギルド、瑠璃ノ樹ギルドには、ミコトどころか誰も入ってこなかったからだ。
と、後ろから、瑠璃ノ樹ギルド(明日まで)のシュリがハルカを小突き、シュウがシュリの陰から顔を出した。

「ハル、誰も入ってこなくてがっかりしたでしょ?」
シュリがにたあっと笑う

そして シュリと似た顔がまた後ろから言う。

「でも、ハルカたちのチーム、ひとり入ってくるぜ。」
シュウがそういうが、自分のギルドの名前は発表されなかったはずだ。

「瑠璃ノ樹ギルドについては、紫咲ノ幻影ギルドと名前を変えることが発表されている」
という、世話長担当ミスギが言うのが聞こえてくる。

「ナイスタイミング」
と、シュリが言う。

「…ん?というコトは、ミコトが入ってくる。ということか?」
ハルカが言うと、シュウが口をはさんだ。

「そうじゃねえの。ミコトってヤツ、やけに可愛いよなあ〜♪。オレらも、明後日で卒業だなんて虚しいよなあ。一緒に居られるのは1日もないんぜ」
シュウが寂しそうに言う。
シュウは、もう中学一年生になるから、瑠璃ノ樹こと紫咲ノ幻影ギルドから卒業し、双子の妹であるシュリと共に、ギルドを結成するのだとか。

「でも、オレとシュリのギルドにもひとり、新しいヤツが来たぜ。」
その言葉に、シュリがうなずいた。

「星月珠樹ギルド、ユーキくんが入ってくれるみたいね。」

「え、先輩、星月珠樹ギルドって名前だったんですか。」
と、前から顔をだしたのは、カイ。
カイは、ハルカと同級生だけど 精神年齢はちょっと高め。

「そうだぜ。カイも入るか?」
とのシュウの言葉に

「いや、言葉に甘えたいところですが、俺はハルカとこのギルドで頑張りたいです」
と、真面目にカイが返す。

「頑張りな!」
と、先輩らしいシュリのアドバイスが

「うるさいぞ」
世話係のリンが、じろりと睨む

「すみませんっ!」
ハルカは、前を向き クララギのハナシに耳を傾ける。

「これで話を終わりとする」
ずこっ!

「紫咲ノ幻影ギルドは、シュウ、シュリ除くメンバーでこちらに来てほしい。」
と、最後クララギが占める。

「オレらは要らないってことか。」
と、シュウが、言う。

「また、明日。お別れ会でね〜♪」
シュリが、にっこり笑顔で講堂から出ていく。

クララギの元へ、カイとハルカが走る。

そこには、ミコトの姿もある。

「こちらが、小学一飛び五年の、ミコトだ。」

「よろしくお願いします。」
と、ミコトは頭を下げた。

さっき見たとおりの、朱色の綺麗でつぶらな瞳、整った顔立ちの美少女!そのままの上、性格もよさそうだ。

「ミコトは————のところを、アレを使うんだ。もちろん、それだから−だけでもそれがバレないようになり、合わせて、ある一部分の記憶も失う」
クララギが真剣そうに言った。

「今日、明日は、たとえしっかりした少女だとしても、明後日からは討ち替わったようになる。気を付けること。ミコトの正体がバレないようにする係に任命する…」

「ハルカとカイの世話係、部屋長のリンだ。去年と同じく引き続きだな。こっちへ来い。」
クララギがリンを呼んだ。

「そして、カイ、ハルカ。ミコトの状態を水曜日の夜中伝えること。」
ハルカは戸惑った。が、カイに気圧されて やっぱり頷く

「ミコトの「一部分」の記憶が戻ること、その記憶がないことに気付くことは無いように」
そのあと、横から聞いていたミコトが口を開いた。

「陰陽道厳守霊力」

ハルカより、ミコトは知識がありそうだった。

「なんですか、それ」
ハルカが思わず聞くと、、

「霊力が強い者は…いや、ミコトのように特に強い者は、自分のパワーを上回る能力を使える。」

「その能力を使った後は、寝込んだり、風邪ひいたり ノイローゼみたいなのにかかりやすくなったりします。精神的に辛くなります。ですが、その力は莫大なものとなります。誰でも使えるわけではありません」
と、ミコトが 丁重に説明した。

ちょっとハルカは面白くなかった。

さっき小学一飛びの五年生と言ったから、小学四年の年齢だけど小学五年だというコトなのだ。

「仲良くしてやれ。」
でも、さっきのミコトにばれてはいけないってヤツ、ミコトに聞こえてたんじゃねえの?

「いいえ、大丈夫ですよ。聞こうと思わなければ聞こえません。いずれ私は記憶を失いますし。」
と、ミコトが涼しい顔で言った。

「ま、まあ、この子は非常に人見知りなものでね。」
と、クララギが戸惑う。