コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 琥珀ノ末裔 *忘れられた日* ( No.44 )
- 日時: 2013/12/27 21:20
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
「今日は、陰陽道認定の日です。講堂へ行ってください。」
その声がお屋敷中に響いた。
ミコトの声だ。
ミコトは、ウララノやクララギに、言葉の伝え方などの部分でも受け入れられ、今ではお屋敷の放送係だ。
「やばいですっ!カイ様 行きますよっ!」
講堂にみんな…走り…(出すのはハルカだけで、)歩き出す。
「分かっている」
冷静なカイも、やっとやっと言葉づかいが変ってきた。言葉使いについては、前からクララギにも注意を入れられていたらしい。
と、講堂には、もうすでに結構な人がついていた。
ギルド順に並んでいく。ギルドはありすぎる。
でも、ひとつのギルドの人数は少量。
講堂も、そろそろ大講堂に建て替えろよという話も出ているらしい。
しかも、全員が入りきらないのを承知しているため、制度を年々変えている。低学年 高学年 中高生のABC制で分けるとか。
「皆の者、今日は陰陽道認定であることを承知しておるな?」
クララギの冷静な声が、講堂に響いた。
でも、だ。
でも、クララギは話が唐突過ぎてよくわからないと言われている。
ハルカも、よくわからないと毎度思っているが、ハルカには 時間はかかるけれど読み取る力はあるから大丈夫。
「だが、全員となると時間がかかる。ギルド番号順に内部放送をかけることにしたので、一旦部屋に帰ってよし!」
と、クララギが言いきる。
(やったね!)
いままでは、存分に講堂で自分の番号がくるまで待たされていたのだ。
と、放送室に居るミコトが言った。
「1番。昕ノ実ギルド 2番、葵明日ギルドの方は待機のためのこってください」
(はあ…)
ハルカはがっくりした。
昕ノ実ギルドは、「あ」から始まる。五十音順に読んでいくのだ。
(…うへえ…)
ハルカのチームは「む」から始まる。これじゃあお昼すぎても回ってこないかも。
大勢の人が、講堂から出ていく。
(これで決まったも同然だよ〜 元帥・・っ)
これは、陰陽道のランクを示すもの。
この結果により元帥も決まる、ランクも上がる!
ハルカは 陰陽道ランク「新進気鋭4段」
カイは 陰陽道ランク「銀河5級」・・・汗
幼稚園・保育園児が珠洲音から始め、
見習い8級から始まって…7、6、5、4、3、2、1、初段、1段、2段、3段、4段、5段、6段と来て、駆け出し8級、7、6、…
5、6年生になってくると彗星ランクもふつうになってしまう——ワケはない!
普通の5,6年生は、新進気鋭ができる方!
でもそれが平均だから、ハルカ自信はできる方だしいいか。といままで安心してきたのが本題。
でもここの陰陽師をそだてるお屋敷は結構強いみたいだからなあー…
ミコトは訊いたところによると。 陰陽道ランク「彗星8級」・・・
新進気鋭の次は銀河 銀河の次は、覚醒、その次が彗星だという。
(これって・・)
よくよく考えても見ろ!!・・っ!!
ハルカっ!!———
———
「ウララノさん!」
講堂から飛び出してくるなり、クララギの部屋へと飛び込んだ。
ウララノはいつもここにいるというから。
「どうしました?騒がしい」
と、迷惑そうにウララノが言った。
ウララノのギルド 銀毬ノ聖は、「ぎ」から始まるから もうすぐきちゃう。早く言わなきゃ。
「…あの、ミコトのことで お聞きしたいことがあります」
「なんですか?でもミコトのことなら おばあさまのほうが詳しいですよ。今は居ませんが。」
と、言った
「…あの、ミコトって 魔力を封じられていますか?」
唐突な質問に、ウララノが戸惑ったように言った。
「そうね、カンが鋭いわね。獣のカンかしら? あの子、彗星7級って言うけれど…。今の魔力は、銀河初段くらいだもの。ものすごい魔力を失ってるんでしょうね。 でも秘められた才能はすごいということよ。 覚醒も越してしまうほどの陰陽道…」
ウララノ様って、ランクなんなんですかね?と訊けるわけでもなく・・。
獣のカンではなく野生のカンでは…と言えず。
でも 驚くべきなのはミコトだ。
今以上なものすごく莫大な霊力があることは確かなのだ。
「でも、待って。」
ウララノが言った。
「これは・・秘密にしてくださいね。あと…。もしも、ミコトのこの秘められた能力が一騎に戻ったら…。戻ったら、陰陽道厳守霊力が、絶対暴走します。…」
と、言った。
「…え」
「こんなことになったら 命取りです。おばあ様だって、彗星7級の頃は、社会人だったと言います。でもミコトは 小学1飛び5年生。莫大な力が使え、将来は国ごとひっくりかえせるくらいの力を持っているんです。」
と言った。
「…ふつうの人は、こんなことにはならないです。こんなお屋敷や、陰陽道を鍛える制度など無くしてしまえば、力不足または力のありすぎで命を取る人なんていなくなるんです。」
とぼそりとつぶやいた
「失礼します」
何も言えなくなって、部屋からハルカは出た。
ポーン。
天井から音が響いた。
「12番 鏡琉ノ鈴 13番 茜音千早ギルド の方は講堂へ待機をお願いします。」