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Re: 琥珀ノ末裔 *忘れられた日* ( No.47 )
日時: 2013/12/28 09:59
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「修行内容の実技」
クララギが言うと、カイが言った。

「泰山府君祭・刀禁呪・浄心呪・浄身呪・浄天地呪!!」
足で川原の大地を踏みしめ、千鳥足様に前進する…フリをしつつ。

禹歩うほ!」
カイがまた言った。 

「臨兵闘者皆陣列在前!」
九字…。

『青龍、白虎、朱雀、玄武、空陳、南寿、北斗、三体、玉女!!!』
これもつきものとして 九字に入る

「清め…終了!!」

「式神の実技」
カイが、るり色の正装から市販の式神を取り出した。

…と、ミクハが言った。

「……陰陽道ランクなんて、お屋敷ではそんなに気にしないのに陰陽王では関わってくるのね——。」
ミクハは、丁重に、そう言った。

「陰陽王?」
ハルカが問う。

「…陰陽道マスターの資格を取ることは勿論で、それを行った陰陽師の最大の人のこと。簡単に言えば、琥珀国の王様のことね?…あ、でも王様は別にいますよ」
と、にっこり笑った。

「へえ…。ミクハ様は、陰陽王になりたいのですか?」
ハルカが訊くと

「…なりたくはない。」
その声は冷たさで満ちていた。

「…陰陽王は、それでもスカウトで来るの。ある程度の資格があって、それを見込まれてる。ここでやった検査も、霊力が高い人は、ちゃんとした場所に報告されてる。

——怖いの。これ以上上がってしまうランクが。
これじゃあ、凄い人の嫌味に聞こえるかもしれません。でも、そうじゃなくて——…。
ランクを上げたくないのに上がってくれる。
この日を、真面目にやらなければランクは上がらないから いいって問題じゃなくて、真面目にやらないと クララギ様に見破られ、後日また検査するの。つまり逃げられない。」

「…ふうん。」
そんな風って良いね。
——自分はどうしてもあげたいランクが、上げたくないのに上がるってさ。

「次、ハルカ。」
そう言われ、ハルカも行く。

修行内容を実技する。

「式神」

「はい。」
ハルカは返事を返し、市販の式神であることを見せてから、式神を始める。

(…!)
放送室から出てくるミコトに、ハルカの目は釘づけになった。

ミコトは式神を行ってはならない…のだ。

と、クララギから心言が来た。
(ミコトについては式神の検査は行わぬ)

「ミコト、つぎのギルドのアナウンスをしてから来てくれ。」
とクララギが言うと

「はい。わかりました。」

と、そそくさと放送室に入っていった。

「では やれ。」

「はい」