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Re: 琥珀ノ末裔 *忘れられた日* ( No.48 )
日時: 2013/12/28 11:11
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「78番 紫咲ノ幻影ギルド 79番 邑崎海ギルドの方は待機をお願いします。」
アナウンスを背に、ハルカは

さらりと、式神に引っ付いている半紙を取りだし、ささっと半紙に★を書く。
その中に点を描いて丸で括る。
その下に縦に「御神剣」と書く。
その右横に縦に漢数字で12345と、左横に678910と書く。

東西南北に各一礼して水を軽く3本の指(親・人・中)に付けて撒く。
部屋の中心にさっき書いた半紙を置く。
ショップの式神を乗せてその上に、漆之宝石椀という、漆の宝石で出来た食器を乗せる。

ハルカのお母さん譲りのものだという。相当自信があるのだ。

「宿りし者の力と念を、わが元においてこのの元へと移す。天霊霊地霊霊十二神将急急如律令。我が力に従いて、その力、ここに聞こし召し給え 急急如律令」

そういうと、ハルカは、一礼した。

と、ぱあっと紫の光が飛び出す。

式神は役目を果たし、立派にハルカに効果を果たした。

(ハルカ様・・できないとおっしゃっていたのに。すごいです!)
と、丁度出てきたミコトからの心言も届いた。

「…うむ。次、来い。」
と、一人の兵士が、獣を連れてやってきた。
(ん?カイの時は、こんな検査なかったぞ)

「こやつは魔獣だ。結構力があるぞ。急急如律令の呪文で倒してみよ」
ハルカは 一応 獣を倒す力を身に着けてはいたが、魔獣は別物。

と、カチャリ

音がして、魔獣が入っていた牢屋の鍵が開けられ

バ———ンッ!!

牢屋に体当たりをした魔獣は相当の強さだった。
(くっ…)

「急急如律令 『縛』」
縛めと混沌

この二つをミコトの技では使っていて、それをわざわざ家庭教師に教えてもらった。

縛めは、魔獣を絞り上げた。

「キキシャ——!!!」
鳴き声を上げる魔獣に、さらに呪符が攻撃を加えた。

「急急如律令 『影』」
さらなる攻撃をしかけようとするが、ハルカが一瞬気を緩めただけで。

「キシャ——ッ!!」
ハルカ目掛けて魔獣が攻撃をしてくる。
目と鼻の先に 魔獣が迫り、もうだめだ。と目をつむった時

ドンッ

「キシャ———ッ!!」
魔獣がハルカを押し倒し、尖った爪、尖った歯で ハルカをかみ砕こうとしていた。

(急急如律令 『燭』)
どこからか心言が聞こえてきた。———ミコトだ。

その瞬間 赤い煙を放って、魔獣が呻く。

「急急如律令 『突』」
魔獣は瞬くまに黒い靄となり霧散した。

「お見事。だが、仲間が手出しするとは———…。」
と、ミコトを睨みつけた。

(やっぱりミコトが助けてくれたんだ)

「まあいいだろう。おまえに居座った、仲間思いと慕われぶり、清き心を持つのはとても良いことだろう。ミクハに、あちらで表彰してもらいなさい。」

「あ、ありがとうございます。」

「ではミコト。」
と、クララギがミコトを呼んだ。

「はい。」
ぼうっとしていると、ミクハが呼んだ。

「行きましょう。」

「あ、はい」
…。

ハルカは背が小さいから、背伸びしてもミクハやカイに届かない。
べつに、カイは普通の身長なのだが・・・。

しかたない、六年生だ。まだ伸びる!と理解しようと頑張っているハルカである。

ハルカの誕生日は3月31日。
同じ六年生に入るのは4月1日までの人。

だから、ハルカは本当に最後なわけではない——のだけど。

「ハルカだな。」
と、いろいろな書類から、ひとつのものを取り出し、その人は行った。

「貴殿は、陰陽道認定冬至にて、優秀な成績を収められたため、陰陽道ランク、銀河5(マイナス)級に進級することを認める。 クララギ(蔵良義)」

「どうぞ」

「ありがとうございます。」
賞状、作るの早いね・・・って、すごくない?!

ハルカは新進気鋭の4段から一騎に進級 銀河5級までに、ふたりを追いかけたのだ。
ちょっと心が躍る。今にも叫びたい。

賞状と、証である札を渡してきた。

るり色で、銀色の星が5つある。そして、銀河と書かれている。

これは前にももらっていた。
前は 金色の星4つで 新進気鋭と書かれていた。

「で、これも。」
と渡されたのは、正装ににあう、るり色の素敵な髪飾りだ。

「それは、陰陽道ランク上級になったことを示すのだ。」

「ありがとうございます。」
と、ハルカは一礼し、ミクハに別れを告げて、講堂へ戻った。

もっと気がかりなのは、カイのランクとミコトのランク

あとで教えてもらわなくては。

胸を躍らせて 部屋へ戻った。