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Re: 琥珀ノ末裔 *望み叶わぬ日* ( No.51 )
日時: 2013/12/28 13:00
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「太上神仙鎮宅霊符、鎮宅七十二道霊符。これはものすごく長い呪文だろう?でも…、俺は一応覚えてたんだ。今でも普通に言える。」
と、カイが言った。

太上神仙鎮宅霊符、鎮宅七十二道霊符 これは、自分用に扱う獣を償還するのに使うのだ。

「あたしも言えるよ。途中まで…というか鎮宅七十二道霊符の部分は知りません」
このお屋敷では ほかと変わっていて、太上神仙鎮宅霊符、鎮宅七十二道霊符は通常ではどちらも同じ意味で、ただ違う呼び名なだけなのだけど、その二つを1、2と分けていた。
1,2どちらも言える人こそがその力を扱える。良く働き、よく扱いやすい獣が召喚できる。

「で俺、急すぎて度忘れした上、ヤバいこと言ったんだ。」

「はあ」
だんだんカイの本性があらわれていく気がし…。

「ハルカ様!聞いてください!」
ミコトが寄り添ってきて、目を瞠った。

裏庭だとどうしてわかったのか。

「おまえ!どうしてここに居るんだ!」
カイがあわてて飛びあがった

「……サギリ!黙りなさい!黒闇死無紋呪文を使いますよ。」
ミコトの強気な様子に、ハルカは驚くばかりだった。

「どうしたのミコト…」

「とにかくこれを見てくださいませんか?」
ミコトからもらった紙。

そこに描かれていた内容は。

——偽物が出ている——

俺の…俺の偽物が。

最近になって出てるんです。

俺の偽物・・。

そのせいで、陰陽道認定の日に大失敗したんです…。

偽物…。

気をつけてください!。

強い霊力を持ち、強い「魔術師」…

この感じ…絶対に魔術師です。

おまえたちに呪文を教えます。今ここに俺は居ません。

この呪文は 助けてほしい時だけに、本当に危ない時だけに使って。
ミコトでも対処できないほどの事態が起きた時——…ですよ。

「急急如律令 『死冥』」

「黒と闇のごとく 望み叶わぬ時ゆえ 下るべき時 一種の危険あり、陰陽道を救う未来をごとく。 黒闇は白き閃光へ混沌する。 死冥」

もうひとつの呪文を教えます。こっちは、偽物か本物か見分けるものです。

「急急如律令『証』」

「もしも 黒き闇となり、もしも 白き光となればどちらにせよ裏を持ち表なき聖夜へ施すわけにはならぬ。その時に全てを捨て思わざる」

俺は———今……。

——
「…なに、でもコレ。カイの字」
あ!
そういうことか 今、だまりなさい…ってミコトが言った。
つまりは・・この目の前に居るヤツはカイじゃない!

「そうですハルカ様! この人 サギリです!こいつは陰陽師じゃなくて、協力な魔術師に違いありません!!」
と、ミコトが勢いづけて言った。

「そんなわけないだろう?騙されるなハルカ!」
その口調…絶対ない!

「……見苦しいですよ。サギリさん。」

「でも、なんでサギリだってわかったの?」
ミコトに言うと、その尻馬に乗って、サギリらしき人物が、ハルカに行った。

「そうだ!俺がなぜサギリだと分かる。俺はカイだ!」

「そんなわけありません!ハルカ様、私を信じてください!」
ミコトの必死な瞳に…

「・・あんた、自分がカイだって証明してごらんなさいよ」
ハルカが勝ったとばかりにずかずか前に出た。