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- Re: 琥珀ノ末裔 *望み叶わぬ日* 〜祝参照100〜 ( No.52 )
- 日時: 2014/01/31 21:59
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
だんまりしたニセのカイに、ハルカが嘲笑う様に言った。
「…どういうこと?」
この手紙、それは書きかけで、しかも走り書きだ。分からないが急いでいたに違いない。
…いつ、いつだ。
いつカイは偽物が出ていることを知ったのだろう?
ハルカもずっといたし、あまり異変には気付けなかった。
…。うん。と
「でも、本当でしょうか」
ハルカが、少し唸り始めた時、ミコトが言った。
「ハルカ様、サギリ様は分身を出す特別な技もお使いになります。たとえばカイ様をとらえた後、カイ様の分身を作り、生活させれば、カイ様サギリ様おふたりとも同じ場所に居ることができる。立派なアリバイになります」
「なるほど」
と、ミコトに囁いた。
手紙のある部分をさして。
「そうですね 分かりました。」
と言うと、ハルカが言った。
「あたしたちが、あなたがカイであると証明したいんだけど、いいでしょう?」
「…」
「あれ、?だってあなたカイなんでしょう?いいじゃない。」
サギリと言えば、カイのフリして拗ねてる。
逃げないだけましってことで!
「分かった。」
『急急如律令『証』』
別に 嫌だと言ってもやる気だけどね。
『もしも 黒き闇となり、もしも 白き光となればどちらにせよ裏を持ち表なき聖夜へ施すわけにはならぬ。その時に全てを捨て思わざる』
と、拗ねている目の前のカイの姿が、霧散した。
「…?!」
ハルカが驚いていると
「大丈夫です。分身だったんですよ。」
とミコトが言った。
「…そ、そっか。」
「でも このことはクララギ様にお話ししましょう。サギリ様は…本当に銀河3級なのでしょうか?・・もしかしたらサギリ様ではないかもしれませんし、クララギ様でもお気づきになれない事態…これは結構大変なことになりそうです」
と、ミコトを追って、お屋敷へ入った。
——
「ふむ、そんなことが…。ちょっとサギリを呼び出そう。」
経緯を二人で話し、クララギが手紙まで読み終わった後、クララギが慌ただしくそう言った。
「…あの、しばらくお時間かかりますか?私、クリスマス会を前の学校の友達と開いたんです。」
ミコトが席を立つ。
「そうか…。なら帰っても良いぞ。」
「失礼しました!」
と、占い師みたいな部屋の机からマイクを取り出し、ハルカに向けた。
「え!」
素っ頓狂な声を上げてしまう。
「言ってくれ・・・・。ウララノとサギリはこの部屋に来いと。」
「分かりました。」
ハルカは返事をし、マイクを向けた。
「ハルカ、鳴らしますよ。」
と、ピンポンパンポーンと音がして
「え、あ…。銀毬ノ聖ギルドのウララノ様、紫咲ノ幻影ギルドのサギリ様は、クララギ様の部屋にお願いします。 もう一度、繰り返します。銀毬ノ聖ギルドのウララノ様、紫咲ノ幻影ギルドのサギリ様はクララギ様の部屋にお願いします」
パンポンピンポーン
「ハルカ様、ナイスです!」
と笑顔を向けるミコトに。
可愛いなあと思ってしまうハルカである。
(サギリめっ…)
出会って早々、結構いいやつだと思ってたのに。
「あ!……。すみません、予定があるんですが 中座してもよろしいでしょうか?」
ハルカは「ある」用事を思い出し 席を立つ。
「…そうだな。いいだろう。ハルカも帰ってよいぞ。」
とクララギが言うので
「それでは失礼します。」
と、戸を閉めた。
「ふわ〜ぁ。べんきょーべんきょー!」
とちょっと手を組んでうえにせいのびしたとき、明るい声が聞こえてきた
「ハルカ、おまえ勉強熱心だな…!!すげえっ!俺なんてひとっぽちも勉強してないぜ、やることは 頼まれてしまった大量の仕事と、朝の修業だけ!あ、今日から、夜の修業は入るけどな!」
サギリだ。
「そう。」
ちょっと気まずい遥である。
「で、俺よばれたんだけど、何だろうな?」
「さあね。」
ちょっといやらしく態度を向けた。
「んじゃあ、」
と部屋に入るサギリと入れ違いにウララノがやってきた。
「あ、ウララノ様」
「あら、ハルカさん。何か問題が起きたのですか?」
と問いだされるので
「・・は、はい。その…。まとめて綺麗にカイ偽物発祥事件・・というところでしょうか。では失礼します!」
ハルカにも用事があるのだ 足止めされては元も子もない。
——
「あ、ハルカさん、サボるのかと思いましたよ。」
瓶覗の間で待っていたのは、教師のモリア
「すみません。遅れました。」
そのあと、遅れた経緯を短く話した。
「…そうですか。一刻も早く身を投げ出したいところですがどうにもなりませぬ。まずはハルカさまも ミコトさんに追いつけるよう頑張りましょう」
「そうですね。」
と頷いて、モリアから勉強を教えてもらう。
「あっ!昨日は陰陽道認定があったんでしょう?!どうだった!」
と笑顔で訊くモリアに対して
「えっと 銀河4級になりましたよ!」
と言った瞬間
「スゴイじゃない!やったわね!」
とハイタッチ。
「カイさんとミコトさんは?」
と言うモリアに
「えーっと、カイさまは…偽もんだからわかりませんが、銀河3級、ミコトは覚醒8級に格下げ」