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Re: 琥珀ノ末裔 *銀夜に染まる星* ( No.56 )
日時: 2013/12/29 14:52
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

結局、追いまくった結果は、ものすごく疲れる上時間もかかってしまった。

「ハルカ様、門限とっくに過ぎているのでは?」
ミコトも疲れ顔で言った。

「そうです!夜修行のないギルドは6時まで。夜修行のあるギルドは最低8時から9時内には、お屋敷に居なくてはなりません!」
と、サギリも言った。

「此処まで来て帰るなんてのはだめだ!ほら、今右に曲がったぞ!」
ハルカは行く気満々だが…
正直疲れていた。

瑠璃色の着物 袴 水干で一セットの陰陽師の正装…いくら着慣れているとは言え、ここまで歩きまくると疲れる。

「あの方たちはどうして疲れないんでしょう・・?しかもスピードが速い…」
その瞬時に、ミコトが言った。

「オンキリキリバサラウンハッタ!」

「はあ?」
ハルカとサギリがあっけに取られていると、ミコトの姿は瞬時に消え、少し遠くに居た。

「え!ミコトさん?!」
サギリも驚いたように走り出す。

「今のは、陰陽道の技ですよ。私が唱えてあげます。 オンキリキリバサラウンハッタ!」
とにっこり笑った後、ハルカとサギリの姿は、ミコトと共に飛んでついに目の前に5人組が。

「…もとからこれを使ってくれ。」
と、ハルカが思わずぼやいた。

そして、目の前に居る5人組に話しかける。

「すみませぬ。名を教えて頂けませぬか?」
ハルカが言った直後、名乗る名などないと言わんばかりの態度で冷笑を浮かべた。

「…ふうん、可愛いじゃねえか」
その男は、ハルカではなくミコトを見ていた。

「え…」
あっけにとられているミコトの前にサギリが立ちはだかって言いかけた。

「ちょっと、「名も名乗らない奴がうちの者を触るなど許せぬ」
それをハルカが遮り、ハルカが上目使いでその男を見た。

ミコトは、ハルカの後ろに隠れてしまう。

「可愛い顔だからって、ふざけていると殺られますよ。なんたって陰陽師ランク彗星8級ですからね。」
と嫌味っぽくサギリが言った。

「ふ〜ん。…陰陽師にしては可愛いと思ったのにな。」
男がぼやいたあと、沈黙が続き——…

「おまえ、なぜ我を陰陽師だと知る。」
と、ミコトが強気になって、ハルカの言葉をまねていった。

「…おっと。それは失礼!」

きっと名を名乗りもしないのだろうと観念したように、ハルカが口を開いた。

「あたしたちは、紫咲ノ幻影ギルドの陰陽師 ハルカと、」

「ミコトと、サギリさんよ」
と、ミコトが前に出て続けた。

「ふ〜ん、できた陰陽師だなと思ったら、あたし。か」
その男の後ろで美少年が顔を出した。
ハルカは、少し顔を赤らめて後ろに後ずさった時

「お、おまえ!危ない!」
その美少年が声を上げた瞬間、

「…ハルカ様!」
サギリが田んぼに落ちてしまった。

「あ…、ごめん」
謝るが遅し。ハルカが手を取って田んぼに落ちたサギリを引き上げていると、

「とんだ陰陽師ね。」
と、その後ろでひとりの女の子がつぶやいた。

「…どうせ門限も過ぎたし、あなたたち、私たちのお屋敷に来る?」
またもう一人の女の子が言った。

「…それは申し分ない。」
と、踵を返そうとすると、声が聞こえた

「もう9時回ってるぜ、行くんじゃねえの。」
と言われ

「でも、」
と言いとどまる

「…悪い、言葉に甘えさせて頂こう。」
と言い、5人組についていく。

「・・名はなんというのですか?」
しきりとサギリは聞き及んでいた。

ついに観念したのか、5人組のひとりが言った。

「…結界師の旋風之李ギルドの5つ子だ。済んだか」

「結界師…」
結界術という、立方体の結界を張り空間を支配する術を使い妖怪を退治する
先述の陰陽師よりも退魔師に近いが、式神なども使える陰陽師族の琥珀国の者だ。。

結界師であるということを使用し、ミコトの呪文のように早く歩けたのかもしれない。

「おまえたちは門限は良いのか。」
ハルカが言うと

「・・元帥なんだ。1日、2日門限破ったぐらいで怒られやしない」
と、涼しい顔で女の子が言った。

「へえ。」
と言った瞬間

「間流結界術!」
ひとりが声を上げた。

そのしゅんかんに ハルカたちの姿は、結界師たちのお屋敷についていた。
立派な門構えだけど、ハルカはやっぱり陰陽師のお屋敷の方が好きだと思った。
でもコレが使えるなら ハルカたちを透銀望結鄭に送ってくれてもいいのにと思ってしまう。

「やっぱり 透銀望結鄭とは違いますね。」
と声をあげたのはサギリ

「ここは 瑠庵桔梗鄭、結界師たちの屋敷よ。あなたたちのところ見たいに、整備されていないから皆 術式使い放題。トリックにあったら注意してね。」
と言われ、緊張を持つ

「切界!」
誰かがそう言った瞬間、あまりの疲れに脱力しそうになった。