コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 琥珀ノ末裔 *時を刻む結界* ( No.73 )
- 日時: 2014/01/26 15:15
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
(色々なプロローグ)
「ねえねえ…」
「そろそろ…」
「やっちゃう?」
『やっちゃおうか!』
三人の顔が似た少女は 黒い靄や霧で溢れた黑い商店街を肩合わせてぴょんぴょんと飛び回った。
「それじゃあ…」
「ここのお店で…」
「お揃いの…」
『お洋服買っちゃいますか!』
三人の少女は 気が合うようで 顔を見合わせて仲良く店に入っていく…数センチ 地面から浮いてる。
・・一時間後
「あたしは桃黑色♪」
「うちは水黑色♪」
「わたしは黄黑色♪」
濁った色の服に着替えた…いや 濁った色の羽に取り換えたというべきだろう。そんな少女たちが出てきた。
「桃黑色のノンは妖術師〜☆」
「水黑色のソノは妖術師〜☆」
「黄黑色のサヤは妖術師〜☆」
『三人合わせて妖星ホシクズギルド〜』
…暗く憎しみと恨みを持ったような住民の中 この三人組は どことなく浮いていた。
——どこの国に行っても浮いているだろうが
———
(色々なプロローグ)
「入れ替わってくれ。お願い…だ。」
そいつは、朱色の瞳を持っていた。
「…私と入れ替わるなど 無理だ。何回言えば気が済む」
クララギ様は必至で対抗した
「……いうコト聞かないと 此奴らの命はない…」
そいつは、後ろから、ロープでしばりつけたカイとミコトを前に差し出す。
静かだけど冷たい声にビクりともせずにクララギは 曇った余裕の笑顔を浮かべた。
でもそれは どう見ても負けを認めたようで。
「…それでも認められない」
そう言った瞬間、そいつは刃物を差し出した。
「さあ…おまえか…それとも此奴らか…」
「—————」
クララギがゆっくりと口を開いて答えた。その声は掠れる用に小さかった。
「…じゃあお望みどおりにしてやる!!命知らずの野郎め。野次馬が来る前にさっさと終わらせよう。」
そいつは、クララギと化かした。
「…俺はクララギになるのだ。おまえはさっき俺が言った通りに。」
クララギの姿が二人。
すれ違うように 反対の方向へと歩みだした
———
「ぎゃあー!」
いきなり、お屋敷中に聞こえてきた 悲鳴の声。
「いたずらかしら」
そう独り言をつぶやくと その少女は講堂向けて 早々と階段を下る。
「…ウララ〜!」
後ろから呼ぶ声がして その少女は振り向いて——
「どうしたの?ティンク」
そのティンクと呼ばれた少女は 長い栗色の髪を横に一つで束ねていて。
「…いまから講堂へ行くのでしょう?一緒に行かせてください」
状況を理解しているのだろう ティンクは少女の了承を得た。
「分かった いいわよ」
その少女は承諾した。
ティンクの群青色のその瞳…それはとても目に焼き付けられた。
瞳の色 と言えば このお屋敷で思い浮かべられるのは ミコトとティンクとアサギだ。
ティンクは群青色
アサギは朱色
ミコトは瑠璃色
どれもきれいな色をしている。
自分の眼の色は 少し青っぽいけど黒色で…
そんなことをつくづく思いながら講堂へ足を踏み入れた。
真っ直ぐにその足は放送室へ行く。
「…悪戯?誰がやったの」
少女は そう言い放った…
「誰も、いませんね。」
ティンクはそう言うと 踵を返した。
「クララギ様の部屋へ行きましょう」
もう一つの放送室
・・・
「ん?」
ティンクが戸を開けようと踏ん張るが さっぱりだった。
「向こうはドアノブ こちらは ドアノブじゃないものね…どうすればいいかしら?」
少女が踵を返す。
「…何か、おかしいわね。」
それに感づいた少女は声を上げた
トントン
「おばあ様 いらっしゃいますか」
「おばあ様?……おかしいわね 鍵はめったに掛けないはずよ」
クララギの部屋は、緊急時に駆け込めるように と、鍵をかけないのが主流なんだとか。
「……ん?」
ティンクが 戸に耳を押し付けた。
「ちょっと…待って。ウララ、地獄耳みたいに 中の音を聴けない?物音する気がするんだけど」
そういうと、ティンクは後ろに下がる。
手っ取り早いのはこの扉を壊すことだけれど なんだか高そうないろんな文字が記された扉を もし何もないのに誤って壊してしまえば大変なことになりそうだ。
「やってみる。急急如律令」
「急急如律令」
「…どうでした?」
ティンクが期待して言う
「…ちょっと呼びかけてみましょう。おーい!!」
と、少女は ドンドンと叩いた
「おーい!」
ティンクも同じくやる
「待った…ティンク 大声で歌いなさい」
「はーい!」
少女の急過ぎる命令に ティンクは答えた。
ティンクはとても歌が上手なのである。
「らららー♪(意味不明)」
一曲歌いあげたところで
「ここ…どこ…」
おぼろげな男の子の声がして
「中に誰かいるの?開けて。」
「開けて」
「待って…くださいね。……って?!…誰?…もしかして、…うんと…アサギさん?」
その男の子は、怖そうにつぶやいた。
「アサギ?」
此処の戸が開けば 全てが分かる——…
「…いま、開けますね」
やっと、見つけた・・・・