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Re: 琥珀ノ末裔 *時を刻む結界* ( No.74 )
日時: 2014/01/08 21:16
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「しつ」
「れい」
「しま」
三つ子が、古い紙のかおりがする、本棚に包まれた 円のカタチをしている広がった部屋に足を踏み入れた。

後ろから ひとりの少年が言った

「す」


「おお、待っておった」
と、ほっほっほと笑いながら くるりと椅子を回転させて こちらを向いたのは、皺でいっぱいのおじいさんの顔だった。

円のカタチをする部屋の真ん中に 机が置いてあって そのそばの椅子におじいさんは座っている。

「…えっと、ユギ(結城)様でいらっしゃいますか?」
黑っぽい黄色の羽に身を包んだ、美少女…サヤカが前に躍り出てきた。

「…そうじゃ。おまえたちは、…んと、ノドカ(和)ソノカ(苑花)サヤカ(斌)シュン(瞬)じゃな」
…違います。しかもこの名前じゃ呼んでくれません

「ユギ様。ノドカは、ノン。ソノカは、ソノ。と呼んでくれないと。ふたりは返事してくれませんよ。」
とシュンが訂正する。そのあとソノカが無表情で言った。

あなたが今 ノドカと言った人はサヤカで
あなたが今 ソノカと言った人はシュンで
あなたが今 サヤカと言った人はノドカで
あなたが今 シュンと言った人はソノカです。

と 受け応えると すまんすまん、と悪びれた様子もなく指をパチン とはじいた。

「ん?」
ノドカが ヒョイっと身体をそむけたが 効果なし。
ノドカたちの頭に 妖術を使い、ユギは 何かを被せた。

「なんですか?」
シュンが、あたまに被せられた黑翠色の深い帽子に手をあてた。
同じくノドカには 黑桃色のコサージュのような花がついた カチューシャだった。
…ソノカ=黑碧色のコサージュ&リボン付きミニハット
…サヤカ=黑黄色のコサージュ&羽付きカチューシャ

「・・これを着けなければ おまえたちの顔が似過ぎてわからぬのじゃ。おまえたちは四つ子だったかのう・・というのは嘘じゃ。妖術師の証拠じゃ。」
と ほっほっほとまた笑う。

「違いますよ〜♪ 私たちが三つ子で シュンは別なんです!」
と、ノドカがユギに向かって元気に言った。

「そうか 悪かったのう。てっきりシュンとサヤカが双子だと思っておった。」

「そうですか」
とシュンが 頷いた。

「で おまえたちは 今日からギルドに入るというコトじゃな。 あちらへ行け。おまえたちがギルドに入るにふさわしい力を持った者なら、奧へ行けるじゃろう」
そういうと、ユギはまた本をひらいた。難しそうな 妖術古典だ。

「分かりました」
ソノカが 敵対視するようにユギを見、答えると 真っ直ぐ、ユギの指の先へ向かった。
——
さきほど間違えられたが、ノドカたち三人の顔は似ていない。
ただユギがおかしいだけだ(ひどい)一卵性ではないので あまり似ていないのだ。
それにまして、性格にも大きな差もある。

ノドカ=社交性 元気 熱血 いいヤツ
ソノカ=知的 冷静 静か 厳しい
サヤカ=天然 穏やか リーダーシップ

ノドカは元気な感じでソノカは静かな感じ、サヤカは天然系だ。サヤカに関しては 一番母親似で 美少女である。

「…サヤカ、ギルドの名前は決めたのか?」
シュンが 隣に居るサヤカの方を向いた。
ちなみにシュンも 生まれながらの美少年である。

「…えーっと…。一応、ノンとソノと決めたんだけどね、妖怪ラララって… でも 正直、あまりよくないなあって思ってるの。だからシュンくんに決めてもらおうかなって」
と、サヤカが言った。

「・・そ、そっか」
妖怪ラララに さすがに引いてしまったらしい。
確かな話、四人は妖術師の勉強をしていて 容姿も妖精だ。
まして 妖怪 ではない。

「…ん、じゃあさ!妖怪ルルルにする?!」
と、ノドカが言った時

「どうして ノンはいっつも 最後同じ文字にするの?」
と 睨みつけるソノカが居た。

「…は? じゃあソノが意見出せばいいじゃん?他人のばっかり文句言ってないで 自分で考えなさいよ」
ノンが強気に言った。

「だから ノンのセンスが悪すぎるっていうの。考えなさいよ。」
ソノも負けない。

「もーう!ソノ、あんたほんっとわかんない人間ね」
まだノンも言う。

「ええ…。どうしよう。 ちょっとふたりともやめてよ!」
サヤカも割って入るが…

「どいてっ!」
その瞬時、身体が傾いて

「きゃっ…!」

「…待てって」
ノンとソノの瞳が怒りで染まった時、シュンが間に割って入った