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Re: 琥珀ノ末裔 *時を刻む結界* ( No.75 )
日時: 2014/01/08 21:31
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「どいて!」
・・・・が、効果なし。

「大丈夫か?」
少し離れて、シュンがサヤカを向いて言った。

長い髪が靡いて サヤカが弱くうなずいた。

「う、うん…」
さっき、ノンかソノに突き飛ばされたのだ。

「…シュンくんは?」
サヤカがシュンを見る。

「あ、一応大丈夫。でも あいつらアレで大丈夫?」
シュンが言うと

「—…大丈夫…だよ。ああ見えても 結構…いえ ものすごく仲はいいいから。」
でも 喧嘩するほど仲がいい…って本当か…。
このままエスカレートして殴り合いにならなければいいけれど…。

女子同士なのにね

「…私、妖術で止めてくる」

「待て。そんなのあるのか?」
シュンがサヤカを止めた時。

「…それがあるのよ。ある妖術を私が改造したの。一応、いつも使ってるわ」

「…あいつら、どんなけ迷惑かけてるんだ」
ボソり。
シュンがつぶやいた。

サヤカが、ノドカとソノカのいる方へ足を踏み入れた。

「だーからもう!」
まだ言い合いは続いているらしい。でも、叩き殴りぼこぼこにしてはいなさそうである。

「グベグベレ・ングア、キティキティ・ングア! グべグベレ・ングア、キティキティ・ングア!」
黑と黄色で染まった羽が、銀色の光をまとい…。

その光の矛先は ノンとソノの方へ向いた。

「グベグべレ・ングア、キティキティ・ングア!!」
そして、二人を丸く包み込むように やさしく光りが包んだ。

「…ふうん、久しぶりに会ったから、こんな凄いとは思わなかった」
と、シュンが、何ともなくなったノンとソノを見て、感心したように言った。

と・・。

「…っ」
ぐらり

サヤカの視界が傾いて…


「サヤカ…!」
シュンが気付いて 駆け寄った。
——
「…ん…っ」
サヤカがゆっくりと目を開けると、ノンとソノの姿が映った。

「…ノン?ソノ…」

「あ、大丈夫 起き上がらなくて。 さっきはゴメン」
ノンが手をすり合わせた。

「私も ゴメン…」
と、ソノも反省したように言う。

「大丈夫」
とまた横たわる。

「無理するんじゃねーぞ」
と 横の柱にもたれかかっていたシュン。

サヤカは、ノンとソノと比べると比較的に身体が弱いのである。
なにも ノンがほとんどの栄養を独り占めしたせいだ。

——…と、誰も責めることは不可能だが。

サヤカの上には、シュンの上着。

「あ、ありがと」
一応お礼だけ言う。

「もー、あたしの力だったらありふれてるのに。ほんっとチャージしてあげたいよ!」
と、ノンが元気に言った。

「それじゃあ そこの大理石の壁をありふれたパワーでブッ飛ばしてくれ」
シュンがそう言った。