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- Re: 琥珀ノ末裔 *時を刻む結界* ( No.76 )
- 日時: 2014/01/10 18:57
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
toノドカ
「え?」
さっぴょんがきょろきょろと周りを見回した。
「良いわよ」
それを片目で見つつ、大理石の前に立った。
行く手を妨げたその大理石の強情な壁は・・・・
「あの後、どちらが さっぴょんに対しての責任を取るか。またケンカをしたのよ。色々騒いでいたら 大理石の壁がシャッターみたいに落ちてきた。」
と、涼しい顔でソノが言った。
「でもコレも大丈夫。彼奴がブッ飛ばすらしいから」
と、苦笑いを浮かべてシュンが呟いた。
そしてあたしを見たのだ。
女子らしくないけど。そう目で伝えられたみたいだ。
(仕方ない…じゃない…!)
さっぴょんみたいに 可愛くないし女子らしくない、可愛げがないってわかってる。分かってるけど…
嘘ついてまで、病弱なフリとか したくないし。
シュンに気に入られようとか まったく思ってないし。
気持ちで庇い、あたしは言った。
いらだつ気持ちを、ただ力任せの妖術に頼らせた。
さっぴょんみたいに 難しい呪文は唱えられない。
くやしい
「ボロ…マング!!」
全ての気持ちを、ただ闇雲に大理石を壊すことだけしか考えずに吐き出すように呪文を唱えた。
これが妖術師の基本の妖術の使い方。
マング*ボロマング*グベグベレ・マング・キティキティ・ングア*グベグべレ・ングア・キティキティ・マング*キティキティ・グべグベレ*ングア
の6つの呪文しか使わないが 中でもボロマングが一番使用される。
というか 小学生だと、さっぴょんみたいな難しい呪文さえも唱えられない。
唱えられたとしても力は働かない。
「…わあ」
さっぴょんが声を上げた。
我に返ってあたしも 大理石を見上げた。
「ヒビが入ってる。」
ソノがポツリと言った。
「ふ〜ん、ノン、よくやったな。あとは僕がやる。」
シュンが前に躍り出ると、言った。
「ウェネ・ングア!」
その瞬時に ザンッと、シュンから光が放たれ、大理石はボロボロと落ちていく。
「危ない!」
あたしがさっぴょんに駆け寄ると 横抱きに絡めて転がった。