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- Re: 琥珀ノ末裔 *時を刻む結界*【罠に躓く人 更新中】 ( No.86 )
- 日時: 2014/01/20 20:59
- 名前: 瑠々奈 (ID: qdhAso1A)
toソノカ
「大丈夫…?」
声がかすれる。
とっさに、シュンが支えたが、私は心配でたまらなくなった。
「……っ」
サヤカはそのまま 地面に崩れ落ち、頭を押さえた。
「・・大丈夫…か?」
うっすら白い手に 黒い刻印のようなものが記されていて。
それが 和妖精のカッコイイ服から覗いていた。
「ユギ長。実は さっぴょん、前に 妖術戒に在ったことがあるんです。再発作したかもしれません」
妖術戒とは、妖術師だけに見られる精神的病気で、色々あって妖術が使えなり、寝込んだり考え込んだり、泣き続けたり、怒り続けたりするなどという症状がみられている。
「言わないで・・」
サヤカは キッと 私を見咎めると、また頭を押さて倒れた。
「妖術戒では 黒ノ病にかかりかけたことも有ります」
シュンが そういうと、ユギ様はさらに顔を顰めて言った。
「黒ノ病は、魔術区分の病気じゃぞ…。これは一刻も早く、サヤカを助けねばならぬな。ワインユ 少し病の様子を見てやってくれ。シュン、背負ってやれ」
そう言うと、ユギ様はスピードを速め、歩きはじめる。
「…そういえば!」
ユギ様が 私に向かって振り向かれた。
「おぬし、生年月日を教えてもらいたい 生まれた時刻も。」
たぶん ギルド結成時にお伝えしたと思いますが。というのは省き、
「えっと、2003年2月3日です。サヤカが生まれたのは、ゾロ目だから覚えてたんです。6時6分生まれ。」
と、ふつうに言うと
「ソノ…知ってて言ってんの!」
またサヤカが暴れる。
「落ち着け。」
シュンが押さえつけると、その力で圧迫されたのか、激しく咳込んだ。
「黒黎の日じゃな…これは……危ない それも6時6分…」
かっとおじいさんのユギが目を見開くと、ワインユに言った。
「離れろ。暗黒悪魔退散呪文を唱えておいてくれ」
そういうと、さらに足を速めた。
「…シュン…。黒黎の日って…なに?」
怖かったけれど 思わず 訊いてしまった。
「……黒の日だ……。悪の泉に囚われる 死を求めし精霊に呪われる。」
何か分かっているのかもしれないけれど…
その言葉だけでは何もわからなくて
「…ソノ。これ、魔術師区分の者たちにだけ 関係する病気だよ。だから 人間や陰陽師や奇術師には関係ない…ましてや 悪魔たちにもかからない病気」
なんで 知ってるの?ノンにそう言いたかったけれど
言えなかった。
『イジュラ・キュラ・キティキティ・ングア・ネオ』
仕切りと言う ワインユの金切声と、サヤカのうめき声だけが耳に入ってくる。
『イジュラ・キュラ・キティキティ・ングア・クジュラ・キティキティ・ングア・ネオ』