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- Re: 琥珀ノ末裔 *闇を詠う刻印*【闇術の刻印更新中】 ( No.90 )
- 日時: 2014/01/21 20:23
- 名前: 瑠々奈 (ID: qdhAso1A)
toソノカ
その三日後に、講堂にて、妖星ホシクズギルド一行は迎えられた。
ギルド名については、もうシュンが勝手に決めてしまったというコトだった。
迎えられた。とは言っても、人付き合いがそこまで 上手くない私にとっては、こういう存在があるってことを知ってもらっただけに限る。
それに比べてノドカは、わたしがしゃべらないから、暇だ暇だと、ふらふら歩き回り、たくさんのギルドの仲間と仲良くなった故、ノドカを知らない者は居ない というほどにまでなっていた。
有名になりたいわけじゃないけれど、うらやましく思わないわけじゃない。
「修行に行くか」
朝、朝食を摂った後、シュンが口を開いた。
「行きたい」
ソノカは、そう言った。
身体がなまっているかもしれないし、あまり乗り気ではないのだけど、何となく何かしたくてたまらなかった。
サヤカについては いまだ安静なので、動くことはできない。
「マング」
そう言うと、シュンが呟いた。
「ノン、今すぐ戻れ」
そして1,2分立って
「シュン、なんだよ〜」
ノドカが戻ってきた。
「凄い…」
わたしも思わずビックリしてしまった。
「これは、陰陽道の使う 心言。呪文は唱えなくてもいいはずだけど、妖術師だろ。俺たち」
とシュンが ニッと笑うと、
「ここの留守番頼む。俺らは修行に行く」
とシュンが言うと、ノドカが少し血相を変えて
「えー。あ、あたし留守番のために呼んだの?」
ノドカが放つ、いつもの明るい笑顔は消えていた。
「良いだろ。おまえは遊びほうけてたし」
…気持ちは分かるよ。
「……っ。———仕方ないか」
サヤカをキッと見咎めると、ノドカが ドカッと、ベランダの渕に腰かけた。
「ごめん…」
布団に転がったサヤカが、背を向けてそう言った。
「別にいいよ」
ぶっきらぼうにノドカが言うと、またキッとサヤカを睨み、見咎めた。
「おい・・ノドカ」
シュンが、鋭い目つきで睨みつけると、ノドカはバツが悪そうになり、
「あたし、行ってくる」
そう言って、ノドカは、ベランダの渕から落っこちる。
ここは5階だけど、落ちたら死ぬって?
妖術師は飛べるから問題ないよ。
「困ったな。わたし、残るからいいよ。」
わたしもさすがに観念して座り込む。
「仕方ねえな」
シュンも座る。
黙り切ってしまったサヤカを思って、お茶をだしたりする。
シュンもちょっと励ましにかかった。
——
toノドカ
最近ひとりで歩いている。
ずっとひとりで居るのも寂しいし孤独だし ひとりぼっちなんだ
って そうやって見られたくないから、自分の部屋から抜け出して、他のギルドの子とばかりしゃべっていた。
知らぬ間に、色んな人と仲良くなっていた。
黒のルートを辿って、自分より悪い環境の者とも分かり合った。
外の世界に行くだけで 面白くなってしまった。
自分の悩みを現実的に受けてくれる。
自分に乗せられたものの現実味を軽くしてくれる。
ある意味 本当にありがたかった。
ひとりの自分のひとつの差しのべられた助けが、あるだけで心強かった。
「あ、来た?どう 改名のことは」
黒い正装に身を包み、黒いシルクハットをかぶった男性は、口の端を歪めて笑った。
「いいですよ」
それに、あたしは、答えた。
「で、どんな名前にするんだ?」
「黎です」
「なるほど…、俺様 ルキヤの好みじゃないか・・・・くくっ」
そういうと用紙に書き込む。
「手続きを認めよう。希望する 秘密結成団は?」
ルキヤ様がそう言った。
「もちろん・・・黒ノ呪団ですよ」
あたしはニッと笑った。
これから変わる。
皆の前から姿を消す。
あたしは変わる。
ノドカなんかじゃない。
ソノカやサヤカの姉なんかじゃない。
黒ノ呪団の
—————————カンナだ——————————