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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Ⅹ心を失った少年と人工人形Ⅹ ( No.1 )
- 日時: 2013/12/09 19:36
- 名前: のら (ID: A6qXPnRR)
Ⅹ第一話Ⅹ【記憶】 ◇ソルベside◆
私のことを「ソルベ」と認識してくれたのは、貴方が初めてだったように思うのです。
昔も。
今も。
『よろしくお願いシマス』
『……あぁ』
私が目覚めた後の初めての貝和は、ほんのわずかな…20秒ほどの出来事でしたね。我ながら後悔しているのです。
…この言葉…。
今の貴方に届いているのでしょうか?
単細胞な私には分りかねますが
貴方は今、高い高い空の上の方で
この私の思いを聞いてくれているのですよね?
「…今更、遅ぇんだよ、ばぁか…」っていつもみたいに怒ったような顔でそうつぶやいてくれるんですよね…?
…何か…言ってくださいよ。
私、本当に泣いちゃいますよ?
…ロボットの私に流す涙なんてないのかもしれません。
私が流す涙は、ただの油なのかもしれない。
それでも
「悲しい」という思いに偽りはないのです——。
私は今、私自身が人工人形で良かったと思ってるんですよ?
私と貴方の出会いは、きっと運命なんかじゃなかったと思っています。
…運命なんかより、もっともっと硬い何かで繋がっていたんじゃないかと奏思うんですよ——。
…ねぇ。いつもみたいに「そんなことあるわけねぇ…馬鹿馬鹿しい」って言ってください。
私の言葉を聞いた時の貴方は、言葉とは裏腹にいつも嬉しそうな顔をするんですよ。そんな貴方は、誰よりも人間らしい。
…貴方と私の時間の流れは違いましたけど…。
それでも幸せでしたよ?
ねぇ…貴方は……私と出会って幸せでしたか——?
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