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Re: 6年生少年少女 再開編 5 ( No.103 )
日時: 2014/02/10 18:19
名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)




22話



「…改めて自己紹介するよ。僕の名前は佐々木たく。女の子が大好きで、みなおを世界1愛している人間だよ!」

白元が去って行った教室で、小学生6人の間では、なんとも言えない空気が流れていた。

「ふぅーん、で?」
「は、はづさんは自分からたくが自己紹介するように仕掛けたのに、なんでそんなに無関心なんスか?」
「ん?あぁ、ごめんごめん、興味が消失しちゃったんだ、時間が経ちすぎて★」

はづきはいつものニヤニヤ笑いのまま、自分の前に現れたたくを面白いものを見る目付きでじろじろと観察してから、みなおの方に視線を移した。

(…世界が終わったような顔してるねぇ〜、みなおさん)

たくが登場した辺りから、顔面蒼白になって床を見つめたままのみなおは、今も、世界に失望したような表情でただずんでいる。

そんなみなおに、たくは爽やかに話しかけた。

「みなお?そういえば、ここにいる人たちの名前を聞いていないんだけど…、紹介してくれるかな?」
「…自分で自己紹介くらいできるだろ」

少したくの方に目を向けて、みなおはまた、床に視線を戻してしまった。
だが、たくは諦めない。

「いやあっ、僕は女の子を中心にみなおから紹介してもらいたいんだよっ!」
「…は?なんの為に…?」
「将来のお嫁さん候補の女の子の事を、詳しく知りたいから、かなっ?」
「……はいぃっ?!きっ、貴様っ!嫁になること前提で話を進めようとしているのか?!」
「2人とも将来美人さんになりそうだし…、可愛い、元気な子を産んでくれそうだからね!」
「そんな未来の事妄想しなくていいだろう?!」
「なら、まずは子作りから始めようか!」
「『なら』ってなんだよ?!あと、ストレートに下ネタを飛ばすな!!」
「老後は2人、どこかの森の奥で、残された時間を大切に過ごそう!」
「何十年後の話をしているんだ!?」
「それか、肉体を捨て、二次元で永遠の時を共に過ごそう!」
「貴様はどこに迷走しているんだ!?」
「そう…!永遠の愛を求めて……、終わりの無い、永遠に続く永遠の時を、2人で永遠に…!」
「『永遠』、好きだな!!」
「ふぅっ……、で、誰が僕との子をもうけてくれるんだっけ?」
「待て!話を飛躍させすぎだぞ貴様!…いや、どんだけ飛躍させてもそこには着地しないぞ?!」

みなおがたくに突っ込むたびに、たく以外の全員は、目を見開き、「ありえねーだろ…」という表情になっていく。
普段みなおがボケているところしか見ていない一同は、このみなおは、はたして本当に『大城みなお』で間違いないのだろうか…、と、不安になってきた。



「ま、まぁまぁ2人とも…もうそろそろ自己紹介に移ろうか」



皆に比べて、動揺する具合の小さかったはづきが、気を取り直して皆に切り出さなければ、一同は昼休み中、ずっと放心状態で過ごさなければいけなかったかもしれない。





「俺の名前は後藤はづき。頭のやつは『みょんみょん』って呼んでる。好きなのは人の嫌がる顔を見ることで、今は……この、目付きが悪い小3少年中村さんをいじるのにはまってるんだ」
「誰が小3だ…!」
「はーいはいはい、次々、次の人ーっ」
「うっ、うちの名前は、た、高柳、リナで…好きな物は、お菓子。特に高柳製菓の『パッキー』が好き、かな?」
「我が名は魔神が封印されし左眼を持つ者…!辻村くみッス。佐々木たくは、今さっき敵と認定したッス!!」
「…………」
「ほーらっ、中村さんも自己紹介くらいできないと、ねぇ?」
「…………黙ってろって言われたし…」
「うっは、こっ、子供っぽ……うぷぷ…!!」
「…………いや、子供だし…」
「人見知り〜?恥ずかしいのぉ〜?」
「……うっざ!……おれは中村コウ、嫌いなものはトマト、以上」
「みっじか!」
「もういいだろっ…」

個人の自己紹介を聞いて、たくは満足そうに爽やか笑顔で頷いた。

そしてやはり、唐突に発言する。



「男子の2人には、彼女っているのかい?」





一度ここで切って、続く……。