コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 6年生少年少女 卒業編 1 ( No.164 )
- 日時: 2014/03/15 20:07
- 名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)
28話(卒業編スタート)
「やり直しだ」
今、変人学園の体育館内では、生徒と教師らによるバトルが繰り広げられていた。
「大城、お前の頭に『反省』の2文字はねぇのか?」
教師の1人、6年1組担任、白元が眉間に皺を寄せながら、体育館のステージ上で、堂々と仁王立ちしている大城 みなおを睨みながら言い放った。
「『はんせい』?なら、2文字ではなくて4文字なのではないのでしょうか?」
「てめぇ…、いい加減にしろよ……?」
「『いい加減』、と言うと…、ちょい辛、中辛、激辛の中からお選びいただけますが?」
「ガキに辛さの加減を問われるなんてなぁ…?」
「まさかの、甘党ですか?」
「…苦党だ………、って、そんな事はどうでもいい…」
白元は深く溜め息をついてから、ステージの下でパイプ椅子に腰掛け、やり取りの行く末を見守っていた『6年生』全員に体を向けた。
「……続けるぞ。……『本番』の式の最中は、こんなやり取りしてらんねぇからな?」
今、体育館では、6年生が、初等部で行われる『卒業証書授与式』内の、もっとも重要な『卒業証書授与』の部分を練習している。
☆
「生麦生米生ナマコ」
「うちは、チョコを食べたいでーすっっ!」
「私は、将来、魔神眼の力で、全世界を制覇するッス!!」
「私、紅茶を飲みたいわ」
仮面校長から証書を受け取る前に、児童は1人ずつ『将来の夢』的なものを宣言する。
内容に関しては、中等部で頑張りたい事でもよし、大人になってからの事でもよし。
変人学園では、そのコーナーが、常識では考えられないような程、カオスなことになってしまう。
「何でてめぇは早口言葉を喋りたがるんだ…。宣言じゃねぇだろ……!」
「ちっ、ちちちちちちちっ、チョコ、ですか…っ!?」
「に〜っはっは〜っ!頑張れ、世界制覇〜〜ッ!!」
「…粗茶…おすすめ…」
変人娘4人組の各担任も、キャラが濃い為か、場内のテンションはどんどん上がって行く。
っていうか今、未登場の人が登場していたような気がするのだが。まぁ、また機会があったら紹介しておこう。
「ぼくは、ちゅーとーぶでも、がんばりまーす(棒)」
「僕は、この先もずっと、人の心を踏みにじっていきます★」
「ボクは、この先もずっと、猫と生きたいです!!」
「自分、ごはん、いっぱい、タベタイ」
「おれさ……、ぼっ、ぼくは、家庭科を極めます!!」
男子陣ら(宇宙人含む)も、いつもと変わらず通常運転(通常が異常な奴がいるが)で、どんどん宣言する。
…変人ばかりが目立つようだが、もちろん、まともな人間もいる。
「私はっ、お花屋さんになって、きれいで可愛いお花を、お客さんに届けたいです〜っ」
「僕は、科学し————」
あの大天使様こと、草花 サナは、一生懸命大きな声を出そうと、大きく口を開けて可愛らしい宣言をしていた。
神童(笑)のモブ男の宣言は無視してよい。いや、そもそも大天使様の宣言が愛らしすぎて、モブ谷の宣言なんて霞んでしまって聞こえなかった。
(……………この糞ガキ共、卒業できんのか……?)
白元の心配も知らずに、6年生達は卒業証書授与練習を終え、退場練習に移って行ったのであった。
続く……。