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Re: 6年生少年少女 卒業編 1 ( No.164 )
日時: 2014/03/15 20:07
名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)




28話(卒業編スタート)



「やり直しだ」

今、変人学園の体育館内では、生徒と教師らによるバトルが繰り広げられていた。

「大城、お前の頭に『反省』の2文字はねぇのか?」

教師の1人、6年1組担任、白元が眉間に皺を寄せながら、体育館のステージ上で、堂々と仁王立ちしている大城 みなおを睨みながら言い放った。

「『はんせい』?なら、2文字ではなくて4文字なのではないのでしょうか?」
「てめぇ…、いい加減にしろよ……?」
「『いい加減』、と言うと…、ちょい辛、中辛、激辛の中からお選びいただけますが?」
「ガキに辛さの加減を問われるなんてなぁ…?」
「まさかの、甘党ですか?」
「…苦党だ………、って、そんな事はどうでもいい…」

白元は深く溜め息をついてから、ステージの下でパイプ椅子に腰掛け、やり取りの行く末を見守っていた『6年生』全員に体を向けた。

「……続けるぞ。……『本番』の式の最中は、こんなやり取りしてらんねぇからな?」


今、体育館では、6年生が、初等部で行われる『卒業証書授与式』内の、もっとも重要な『卒業証書授与』の部分を練習している。





「生麦生米生ナマコ」

「うちは、チョコを食べたいでーすっっ!」

「私は、将来、魔神眼の力で、全世界を制覇するッス!!」

「私、紅茶を飲みたいわ」


仮面校長から証書を受け取る前に、児童は1人ずつ『将来の夢』的なものを宣言する。
内容に関しては、中等部で頑張りたい事でもよし、大人になってからの事でもよし。

変人学園では、そのコーナーが、常識では考えられないような程、カオスなことになってしまう。


「何でてめぇは早口言葉を喋りたがるんだ…。宣言じゃねぇだろ……!」

「ちっ、ちちちちちちちっ、チョコ、ですか…っ!?」

「に〜っはっは〜っ!頑張れ、世界制覇〜〜ッ!!」

「…粗茶…おすすめ…」


変人娘4人組の各担任も、キャラが濃い為か、場内のテンションはどんどん上がって行く。
っていうか今、未登場の人が登場していたような気がするのだが。まぁ、また機会があったら紹介しておこう。


「ぼくは、ちゅーとーぶでも、がんばりまーす(棒)」

「僕は、この先もずっと、人の心を踏みにじっていきます★」

「ボクは、この先もずっと、猫と生きたいです!!」

「自分、ごはん、いっぱい、タベタイ」

「おれさ……、ぼっ、ぼくは、家庭科を極めます!!」


男子陣ら(宇宙人含む)も、いつもと変わらず通常運転(通常が異常な奴がいるが)で、どんどん宣言する。


…変人ばかりが目立つようだが、もちろん、まともな人間もいる。


「私はっ、お花屋さんになって、きれいで可愛いお花を、お客さんに届けたいです〜っ」

「僕は、科学し————」


あの大天使様こと、草花 サナは、一生懸命大きな声を出そうと、大きく口を開けて可愛らしい宣言をしていた。
神童(笑)のモブ男の宣言は無視してよい。いや、そもそも大天使様の宣言が愛らしすぎて、モブ谷の宣言なんて霞んでしまって聞こえなかった。


(……………この糞ガキ共、卒業できんのか……?)


白元の心配も知らずに、6年生達は卒業証書授与練習を終え、退場練習に移って行ったのであった。





続く……。