コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re:6年生少女 ( No.2 )
- 日時: 2014/02/12 21:06
- 名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)
1話
初等部の小学6年生、1組。
ここでは今、朝の会が行われていた。毎日、日直の生徒が教室の黒板前に立ち、朝の挨拶から始まる会だ。
今日の日直は、シンプルなセーラー服を着て、ボサボサと寝癖の立った髪を後ろで結んだ少女と、真面目に学校指定の制服を着たモブ太君だった。
ちなみにここの学園は制服があり、小学生は黄緑色のカーディガンに、女子の場合はピンクのリボンとスカート、男子の場合は青いネクタイとズボン、といったものがある。黄色いブレザー着用は自由。
少女とモブ太君は黒板の前に立つと、朝の挨拶を始め——
いや、挨拶を始めたのはモブ太君だけだった。
なぜなら——
「おはようございま……」
「ちょっと待てモブ郎」
——相方の少女、大城みなおが、突然割って入ったのだ。
「僕、モブ太なんだけど……」
「ほぅ、それは申し訳なかったな、モブ郎」
まったく反省をすることもなく、みなおは、またどうどうと名前を間違えた。
「挨拶を中断してすまない。だが、いきなり私の中で何かが目覚めてしまったようなんだ」
真顔で淡々と言葉を続けるみなおは、よくいう黒歴史になっちゃうやつとは違う。心の底から思っていることを述べているだけなのだ。
「おい、大城、ちゃっちゃと朝の会終らせねーと1時限目始まっちまうんだが…」
ガラの悪い、もっともな意見を述べたのは、担任である白元である。
「先生は生徒の主張について、この場でねじ伏せてしまおうとかんがえているのですか?」
どれだけ大切な主張なのかは、みなおの目を見ても謎のままなのだが、白元は『超絶的にくだらねぇ主張に決まっている』と考えた。
「……じゃあ、その主張の題名をいってみろ」
みなおは少し考える素振りを見せ、白元の方を見た。
「それは私への果たし状のつもりですか?受けてたちますよぷぷぷ」
「果たし状でもねぇし俺は冗談をいったつもりはねぇ早く言え」
「すげぇ今の息継ぎなしだぜ、せんせいすごい」
「大城………」
メラリ、と、白元からドス黒いオーラを感じ取ったみなおは、スッとひいた。限度はわかっているのだ。
「まぁ、今までのは題名考えるためのタメだったんですけど…って、いまのダジャレじゃん」
「こりねぇ奴だな…?」
「冗談ですよ。題名は『なぜ朝はおはようございますなのか〜爽やかに美しく、時に大胆な——」
「よくわかんねぇがもう1時限目だ、席に着け」
ベタな感じで打ち切られたみなおは、「まぁどーでもいいか」と席に着いていた。ずいぶんとあっさりしていて、さっきまでの粘りはもう跡形もなく消え去っていた。
その後、この学園内で大城みなおが『伝説の変人』として語り継がれていくことは、まだ、だれも知らなかった。
変人物語は、なお、続く模様です。