コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 変人又は奇人(それと馬鹿)。《頑張るぜ!》 ( No.208 )
- 日時: 2014/08/27 10:54
- 名前: 目玉ヤロウ (ID: BKGAQbzV)
6. 「フールな男だな!!」
「何でこうなっちゃうんだよ! あと足し算しかないだろ!?」
「『8+6』は難しいんだよ!!」
「あ、私もよく混乱するぞ」
「お前は小学生からやり直せよ!」
「大城サンを『お前』呼ばわりとは、いい度胸ッスね……ッッ!?」
「目が本気!!」
「コウー、ここは500000000であってるよね?」
「違うけど!?」
放課後は、中等部の教室にはるかを呼び出して勉強した。
集合したのは、コウ、私、大城サン、はるかの4人。
激闘が繰り広げられていた。
「もう算数やめよう?」
「何寝ぼけた事言ってんだよ!?」
「気晴らしに、国語やろうよ!」
「国語って何学ぶのかよく分からないッスよね〜」
「あるあるだな」
「『あるあるだな』じゃない!!」
「でも大城サン、国語13位とかだったじゃないッスか!」
「マジかよ?!」
「イェス。 ちなみにイングリッシュはトップだ」
「何なんだよ?!」
「コウー、ここはさむらいがあめ玉をうばい合う子供を切り裂いた……、ってカイシャクであってるよね?」
「懐かしい! でもそんな恐ろしい話だった記憶はない!!」
「『ミッキー、君、のどのかわきを感じられるの。』」
「大城サン、別の作品に飛んでるッス!」
「はるか、5年生の国語は後々になってネタにされやすいから、勉強するといいぞ」
「みなお……!」
「姉弟揃ってとりあえず病院行け!!」
なぜか、全く進まない。なぜだ……!?
コウはたまに発揮するツッコミ属性をフル回転させているし、はるかは度を越えた思考回路をフル回転させているし、大城サンは……、我が道を進んでいらっしゃるし。
一同が目的を見失いかけていると、一番アウトローな大城サンが、自分の鞄からなにかノートの様なモノを取り出した。
「じゃらりらーん、はるか君日記ィー」
棒読みな上に、効果音がおかしかった。が、そんなことをいちいち気にしていたら、大城サンと友好関係を築く事は不可能である。
そして次の瞬間、はるかはその日記帳を見ると、目を見開いて「おいっ!」と叫んだ。
何やら必死に、日記を読まれるのを避けようとしているようである。
「返してよ!!」
だがしかし。
大城サンははるかのタックルをヒラリとかわすと、コウに向かってパスした。
突然のことで困惑の色を隠せないコウは、思わず日記帳を開いて読み始める。
「あーっ!!」
「……っ?!」
コウの顔はみるみるうちに呆れたような顔になってゆく。
一体、どんな事が書かれているのだろうか。
私の意図を察したのか、コウは渋い顔でその日記帳を私に寄越して来た。
「うわぁぁああああッッ! やめろぉおおッッ!!」
はるかは大城サンに羽交い締めにされていて、こちらに向かって来ることが出来ないようだ。
「えーっと、何々〜?」
その日記の2ページだけ、記しておこう。
ちなみに、他の日記も全てこんな感じだった。
☆
おわり
大城はるか
ほうかごに、最期の水泳部がありました。
今日から陸上部が始まるまで予定がないなぁと思いつつ、フールへ向かいました。
それから、いつもどうりおよいでいると、しゅう君がにげているので「どうしたの」と聞いたら「バラオがくっついてくる」と言ったので、「やめなよ」と言ったら、なぜかおこって来たので、みゆき君と弐成君としゅう君といっしょににげました。
それからは、何もされずにすんだので、走って出てみんなで争いで帰りました。
次はじゅ業の水泳をがんばりたいです。
☆
浜北にいった
大城はるか
今週も、やはり浜北に行きました。
今日は、おばあちゃんが、「何か食べに行こう。」と言ったので、僕は「すしを食べに行こう。」とていあんしました。
だから、今日昼にすしを食べに行きました。
ぼくは、何ヵ月ぶりかわからないくらいすしを食べるのがひさしぶりなので、わくわくしました。
だから、ぼくは、たくさん食べようと思いました。
初めに茶わんむしを食べ、玉子やまぐろなどを食べまたまた玉子を食べなどを続けているうちにはらがいっぱいになりました。
最期には、中とろとケーキを食べ、浜北のおばあちゃんの家へ戻りました。
次に、おばあちゃん達とすしを食べに行けるかわからないので、またちかいうちに、「すしを食べに行こう。」とさそってみたいです。
☆
コウは、大城サンに羽交い締めされたまま、真っ赤になってうつむくはるかに向かって、重い口を開いた。
「はるか」
「なに……?」
「フールな男だな!!」
確かにその通りだ。うんうん。
「なんだこの誤字の量は?!」
「えっ、ゴジは無いはずだよ!?」
「なん……だと……っ?!」
「ジショ見たもん!!」
はるかは強気に言い張るが、コウは日記帳をバシバシ叩きながら熱弁する。
「辞書の使い方は1年生で習っただろ!!」
「えっ!?」
「とりあえず『最期』って……、何なんだよ?! 死んじゃうだろ!!」
「生きてるよ?!」
「知ってるわ!!」
コウは眉間を押さえた。
「いや、もう、なんて言うか……」
「うん?」
「フールな男だな!!」
こうして、勉強会1日目は幕を閉じた。
変人物語は、なお、続く模様です。