コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 6年生少年 4 ( No.23 )
- 日時: 2014/02/23 14:16
- 名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)
13話
自分は猫しか愛せない。
愛くるしさと、たまに見せるクールさ。
この世に、猫を存在させてくれた神になら、己の心臓を捧げても良い。
悠木ラノは、他者がドン引きするほどの猫バカな一面を持っていた。
あの有名小説家夏目漱石も、猫から見た人間の様子を、面白可笑しく、イキイキと描き大成功をしたのである。猫は、大昔から人間と関わり合ってきた動物だ。立派なものだ。
犬の存在を否定するわけではないが、…ほら、犬は静かな所が好きな人にはオススメできない。犬は、構ってやらないと悲しんでしまうだろう。それは可哀想だ。犬も飼い主も、幸せになることができない。
だが、猫はどうだろう。
猫は自由で、マイペースで、気まぐれな生き物だ。
家の出入りも自由。
マイペースに、外の世界と家の中を行き来する。
お腹が空いたりすれば、時間は気まぐれだが、帰ってくる。
ご機嫌を取らないと拗ねてしまったりもするが、その姿さえ可愛らしい。
……まだ話したいことは残っているようだが、もう400字を越してしまった。そろそろ、本編に入らせていただこう。
☆
新学期が始まり、何日か経過した。
生徒達は2学期ごろのテンポを取り戻しつつある。
そんなある日の昼休み、廊下でぶらぶら歩いていたはづき&中村コンビと、暇だから猫に関する本でも借りに行こうと図書室へ向かおうとしていたラノが鉢合わせた。
そこでラノは『2人と話して暇を潰そう!』と考え、3組におじゃましたのだ。
教室の中は、担任の先生は話し合いへ行っていて不在。その他ほとんどの生徒も外に出て行っているため、残っていたのは男女合わせて数名しかいなかった。
窓際の暖かい場所へ、はづき、中村、ラノの順で並ぶ。
そしてなんとなく、はづきが話し出した。
「なんでラノは、外に行かなかったの?いつもは他のやつらと無意味なお遊戯やってんじゃん」
「は、はづきー、そんな風に言うことないんじゃなーい?」
「言葉すべてが毒で形成されてる…」
はづきの毒舌質問に、ラノは苦笑しながら答えた。
「んーっ、今日は久しぶりにのんびりしたかったんだよなぁ」
「ふーん、気まぐれに不定期で、他のやつらを困らせてるの?困り顔フェチ?」
「はづきと一緒にしないで…?」
「ふふふ、ごめんごめん」
相変わらずのポーカーフェイスで、はづきはクスクスと笑った。
その様子に、ラノは最近遊んだ野良猫の姿を重ねてみる。人と猫を重ねるのは、ラノの趣味だ。
(飄々としているところに、人を馬鹿にしているような態度…似ている!!)
「はづき、猫みたいだぁ…飼ってみたい」
「は?君に飼育されるのは嫌だよ?俺が君を飼育してあげた方がいいんじゃないの?大丈夫、エサは残飯くらいなら恵んであげるから、ゴミ猫★」
「…はづきお前、どんだけ壮絶的な育て方想ぞ…妄想してるんだよ」
「それ以前にオレ、さっきのアレは冗談だったんだけど?!」
「うん?俺も冗談返したつもりだったんだけど…もしかして本気にしちゃった?ラノってドM?」
「断じて違うよ!!」
「じゃあ何、変態ドMホモっ気有りの猫好き?凄いプロフィールだね★」
「もうやめて!!」
「き、気持ち悪……」
「ほらっ、コウも気持ち悪くなってきたって………」
「……………ラノが」
「オレが?!」
「……ぷ、ごめん、冗談だよ」
幼馴染みである3人が集まると、いつもははづきにいじられ続けている中村も、たまに毒を吐くことがある。まぁ、中村ははづきさえいなければ毒を吐き続けることができるのだが…。
それでも、ラノ相手には遠慮するらしく、かなり扱いは丁寧だ。謝るし。
「ですよねーっ!あぁ、良かったぁー…」
「なに中村さんに謝られて喜んでんの?変態ドMホモっ気有りの猫好き君?」
「喜んじゃいけないの?!」
「うん、君にはそんな感情持つ価値なんてないよ★」
「あははー、そうかオレってかんじょーをもつかちないんだー、あははー…ってゆーか感情って価値の無い人は持っちゃいけないのっっ?!なにその差別!」
「ねぇねぇ中村さん、昼休みって何分までだっけ?」
「え?始まるのが50分で35分あるから…、25分までじゃないか?」
「……ノリ突っ込みをスルーされた時の恥ずかしさって…… 」
ラノは、突っ込みをする割合のほうがボケる割合よりも多いため、イマイチボケ方がよくわかっていない。
これから学べば良いのだが。
いや、覚える必要ないでしょ…と、少しでも思った人がいたら、突っ込みの才能があると言っていい。
ラノは溜め息をつきながら、幼馴染みの顔を見た。
(また、カナさんと、リナも誘って遊びたいなぁ)
そう思って、少し微笑むのであった。
なに笑ってんの?キモいよラノ★
ひど?!
せめてあっちの方角を向いていてほしかったな
なにソレ?!ってかオレの扱い酷すぎでしょっ?!
どんまい……なんて言うわけねーじゃん★
もういいよ!あきらめるよ!
生きるのを?
あきらめちゃダメなランキングベスト 3に入るよソレッッ?!
変人物語は、なお、続く模様です。