コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 6年生少女 2 ( No.3 )
- 日時: 2014/02/26 17:17
- 名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)
2話
大城みなおは、クラスの中で常にぼっちだった。
理由は簡単、変なのだ。言動、考え、すべてにおいて常人には理解できないものが多いみなおは、あまり他の人と関わらないのであった。
だが、ここの学園は変人あふれる変人学園である。
みなおは、他クラスには『友人』がいた。
その『友人』たちも、みなお同様に変な特徴があるのだが、別に全員ぼっちという訳ではない。みなおがずば抜けて妙な価値観をもっているだけなので、ぼっちを集めた残念な部活をつくっちゃおう、とかは無い。
1時限目が終わり、10分の休み時間が始まった。みなおは机の中に教科書とノートをしまうと、寝た。
(今日寝たの2時だったんだよなぁ…)
みなおはよく、日付が変わってから眠ることがおおいため、いつもこんな調子なのである。現代っ子の悪い手本だ。
そうやって机に突っ伏したみなおはうとうとと眠………ろうとしていたのだが。
そこへ、声がかかった。
「みなおちゃん、よばれてるよう?」
「ちぃっくしょおぉぉぉぉッッ!!」
「あわわっ、ごめんねみなおちゃんっ」
夢の世界への入り口が見えかけていたみなおを現実世界に引き戻したのは、残酷な天使だった。
天使の名前は草花サナ。いつもお花を飛ばし(物理的に)、誰であろうと慈愛に満ちた笑顔で接する、天使としか言いようがない大天使さまであった。
ふんわりとウェーブのかかった、肩にかかる程度に伸ばされた髪からは、フローラルな香りがする。実際にクンカクンカ嗅いだわけではないが、お花を飛ばしているのだから(物理的に)、フローラルな香りがするのだろう。嗅いでみたい。
「まったく…私を起こすなんて無礼なマネを……、っていうか誰なんだ?」
「リナちゃんと、くみちゃんだったような…」
「…ほう」
みなおは立ち上がって、廊下へ歩いて行った。
☆
「今日、大城は遊べる〜?」
「『だが断る』」
「刺すよ?」
「暇だ、暇すぎて気が狂いそうだ」
「元から狂ってるじゃないッスか!」
みなおを呼び出したのは、3組の高柳リナと、4組の辻村くみであった。
「だけど、最近寒いじゃないか」
「だいじょーぶだよ、外なんか行かないからっ。インドアだよっ!」
「インド派?カレーが美味いことは認めるが、日本食という無形文化遺産も忘れるな…」
「刺す☆」
「リナドリサン、落ち着くッス!!大城さんの頭がおかしいだけッス!!」
「その通りだぞ高柳」
「自分で認めたッス!?」
みなおのボケに度々ブチ切れそうになっているのは高柳リナだ。丸顔、丸い目、ショートボブの黒髪、なぜか口に『パッキー(高柳製菓)』をくわえている。明るく朗らかな彼女は、どちらかといえば間違いなく、クラスの中心的存在で、みなおとは違い友達も多い。
「大城ってほんと非常識だよねっ!!」
「ははは、それほどでも(棒)」
「ほめられてないッスよ、大城サン」
リナとみなおのやりとりに突っ込みを入れまくっているのは…
「…で、今日はどうするんスか?寒気なら、私の魔神眼の力をもってすれば一撃ッスよ!」
絶賛厨二病患者、辻村くみだ。
みなおと同じく転校生のため、学校指定の制服とはまた違ったデザインの制服を着用しており、クリーム色に茶色い線の入ったブレザー、赤いリボンとプリーツスカートとなっている。肩にかからない内巻きカールの髪型、髪色は驚きの金髪(染めちゃったッス、テヘ☆)となっていて、左目には眼帯着用(目の色は金、本人曰く魔神眼)というこのビジュアルからして厨二病な彼女だが、快活な性格から、他の人から好かれている。そのためみなおとは違いと友達も多い。
3人で集まっては話したり、遊んだりしている彼女たちの、ちょっとおかしな友情物語——、開幕………。
「するとでも思いましたの?私を忘れるとは何様のつもりなんだテメエ?…ですわっ」
変人物語は、なお、続く模様です。