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Re: 6年生少女 3 ( No.4 )
日時: 2014/03/02 21:51
名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)



3話



少女は、生まれも育ちも、大富豪の豪邸で育った。
大金持ちの、なに不自由無い生活はそこそこ楽しかった。
運動会で走るのがいやだったら、代わりの陸上選手に走ってもらえば良いし、誕生日には、某遊園地を貸し切りにしてもらう。
お金さえあればなんでもありの世の中なのだ。

そんなある日、少女は後に伝説となる、彼女と出会う。

そしてその彼女——、大城みなおによって、だんだん殻が破れて行くのであった。





「ちょっと!みなお!あなた私の上靴の中に紙入れたでしょっ?!」
「ああ、いれたとも。それがどーしたというんだ」
「どうしたもこうしたもありませんわっ!私は今、怒っているのよ!」
「とりあえず叫ばないでくれ。無駄に消費される酸素に失礼だし、『どうしたもこうしたも』とはいうが、私は『どーした』としかいっていないんだ。『こうした』を『どうした』と共に『ありませんわ』で否定するのは、『どうした』に失礼じゃないか?」
「…ん?今の流れでいくと『こうした』のほうに失礼なような気がしますわ……ってそんなことはいいのよっ!」


昼休み。
今、セルフ突っ込みを終えたのは、2組から1組へやってきた、岡本ユリだった。
髪型は肩まで届く黒髪をピンクのリボンでおさげに結う、といった形で、制服は特注品。黒をベースに、ピンクのリボン、スカート、紫のラインの入った襟元、隅々にフリルが使用されていて、いかにもお嬢様、な感じの制服だ。
6年生で学校指定の制服を着ていないのは、1組の大城みなおと、2組の岡本ユリ、4組の辻村くみ、この3人のみなので、名前が非常に覚えやすい。

「あなた、なんのつもりなの?こんな雑紙を私の清潔な上靴に侵入させるなんて……」
「岡本、中を見たか?」
「見てませんわよ!『大城より。p.s パンツ食べたい』なんて書いてある時点で、中身なんて見る気が失せましたわっ!」

ちなみにユリは、『パンツ食べたい』のところを、聞こえるか聞こえないかくらいの声で発音した。

「私以外の人かもしれないだろう」
「ありえませんわ!」
「…証拠は?」

ユリは、うぐぐ、と言葉を詰まらせた。
確かに、中身は確認していないので、証拠はない。

「…じゃあ、ちょっと見てみてあげますわ」
「ちゃっちゃと見ろ」
「なぜ上から目線なのよ!」

覚悟を決めたユリは、手紙(ノートの切れはし)を開く。
途中でみなおの方を見たが、いつもと同じ涼しげな表情でいたため、何も読み取ることはできなかった。しかもその表情が地味にうざかったので、ユリはまた「イラッ」、とした。

「読みますわよ」
「何そのタメ。岡本さん、正直ものすごく痛い人になってますよー(棒)」
「あんたが一番痛い人よ!」

『岡本ユリさんへ。
いつも、校庭の桜の木の裏から、教室のユリさんを見ています。』

「ストーカーじゃねーかッッ?!しかも視力いくつだよ?!怪物かッ!…ですわ」
「まだ続きがあるぞ」

『あっ、ユリさん、だと書くの面倒なので、いまからユーストピア・リユース・リュース・リサイクル☆ガールにしますね。』

「意味不明ですわよ?!途中とか、3R入っちゃってますけどぉぉッ?!」
「星が入っていて、かわいさ倍増だな。あっ、元がかわいくないか」
「なにさらっと失礼なこといってんだテメェ?!…ですわ」

『やっぱやめます。』

「やめやがった!!」
「岡本ぉー、言葉遣いー」
「……ですわ…ッ!」

『じゃあ、これからも見つめ続けます☆ユーストピア・リユ——めんど。』

「あきらめるなよッ?!『めんど』で片付けるなよ!!ですわ!!」
「あきらめるなよって…なんかの漫画か?バカ?いや、バカか」
「納得すんなですわっ!!」

『大城みなおより。』

「やっぱテメェかよッ!!」
「あっ、ばれちったわいね☆」
「真顔で星をつけるなぁぁぁ〜ッ☆」


変人、大城みなお。
お嬢様(☆)、岡本ユリ。
お菓子魔、高柳リナ。
厨二病患者、辻村くみ。


この4人は、出会った。


奇跡の友情物語——、開幕………。

「するかよ。アホ」





変人物語は、なお、続く模様です(目玉、6年生少年始めるってよ)。