コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 6年生少年少女 テスト編 4 ( No.43 )
- 日時: 2014/01/14 17:57
- 名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)
17話(テスト編最終回)
金曜日にあったテストから、土日を挟んだ今日。
ついに結果が発表される日だ。
朝、初等部6年生の廊下は、いつにも増して騒がしかった。
(今回、僕はどの順位なのでしょう…)
満点を取るのはたやすいことだ。
それなら、1位なんて何人でもいるだろう。
だが、ここの学園は『校長や教師らが望んだ答え』を解答することに意味があるのだ。
モブ谷はそのことを熟知しているため、毎回テストの時は、それに沿った、自分なりの考えを述べていた。
(いつもどおり、に挑んだから、いつもと同じなのでしょうか?)
いつもと同じ。つまりはトップ。
嫌味にしか聞こえないが、彼のおどおどした表情を見ると、「あぁ、こいつはヘタレなんだな」としか思えなくなる。不思議だ。
モブ谷が、学年掲示板に貼ってある結果を見ようと前へ向かおうとする。が、他の生徒は道を開けようともしない。
いじめとかでは無い。ただ、モブ谷の影が薄いがために起きてしまう現象だ。
(うぅ…なかなか見えませんね………)
背伸びしてみるが、同じく前の方で背伸びをしていた生徒の頭で、遮られた。
(……………人が少なくなるまで、少し待ってみますか……)
どこまでもヘタレ思考である。
数分経ち、だんだん人は少なくなってきた。
少なくなってきた、と言っても、まだ30人ほどいたが。
モブ谷も、「そろそろ見に行けますかね…?」と、やはりおどおどした表情のまま、掲示板に向かう。
(うぅーん、緊張しますっ!)
☆
ところで。
人は、順位などを見るとき、一位のモノから下へなぞるようにして見ていくことが多いだろう。
上手く説明できないが、とりあえず、上の方から見ていく者が多い、ということを言いたいのだ。
モブ谷も、その見方なのであった。
今回も一番上から確認しようと、モブ谷は目線を紙に向けた。
☆
「あーっ……今回は、はづきが本気出すみたいだったから、おれもちょっと本気出してみたんだが…」
『そいつ』は溜め息混じりにそう呟くと、少し困ったようにしながら、大きな模造紙に印刷された、11名の名前に目を移した。
「……まさか、こんな結果になるなんてな…」
一位、中村コウ。
二位(同着)、後藤はづき。沢谷ゆう。
…あとで校長室、大城みなお。
『そいつ』——中村コウは、申し訳無さそうに(真面目に取り組んでいた人に対して)しながら、速やかに教室へ戻ろうとした。
だが、次の瞬間、何者かに腕を掴まれる。
「……あとで、中村さんに話したいことがあるんだなぁーっ★」
「…人違いです…!」
「逃げないでね★」
何者かの正体は、至上最悪の悪魔であった。
☆
「私はなにか悪いことをしたのであろうか?」
「あんたの場合、行動すべてが悪行になのよっっ!!」
「ここに名前が載るなんて…!やっぱり大城さんはスゴイ人ッスね!」
「……あっ、はづ、モブ谷と同着じゃん………っ!」
「いや、それ以前に驚くことがあるんじゃなくて?!」
「私の名前記載のことか?」
「驚きはしましたけど、大体予想はついてたわよっっ!!それ以外よ!!」
「………あれ……?一位って、同姓同名の…人…ッスか?」
「「……………」」「ん?中村がどうかしたのか?」
「…はづ、慰めに行ってくるよ…」
4人組は、それぞれのクラスに散らばっていった。
テスト編、完。
変人物語は、なお、続く模様です。