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Re: 6年生少年 2 ( No.6 )
日時: 2014/02/23 14:11
名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)



5話



月ポポパプキ。
彼は人外生命体、宇宙人である。
自分の星から地球まで来るのに、本気をだせば2分だという。
50メートル走は0.23秒。好きな食べ物は地球のメロン。
髪色はピンク。両頬には、青い謎の×印。

地球へは、故郷の星の文化発展に役立つ物を入手するためにやってきた。

最 強。
彼もまた、宇宙人である。
自分の星から地球に来るのには、乗り物を用いたという。
50メートル走は9.7秒。好きな食べ物は地球のチーズケーキ(レア)。
髪色は水色。癖ッ毛。両頬には、絆創膏。ヘッドフォン着用。

地球へは、旅行も兼ねて、研修のようなことをするためにやってきた。


この2人は、高柳リナの両親が大家だという、豪華なマンションに住まわせてもらっている。

目的の一致により、同室なのだが。





2人の朝は正反対である。
(ぱーの奴、なんでいつもこんなに遅起きなんだよ…!)
パタパタと朝食の準備をするのは、強の仕事である。朝が苦手なパプキのために、家事の役割分担の際、決めたのだ。
小柄な強が忙しく動き回っていると言うのに、同学年ではどう見ても高身長に分類されるであろうパプキはというと、呑気に布団の上で、ごろごろしているだけなのであった。

「最ちゃーん、ごはん、まだ?」

美味しそうな匂いで目を覚ましたパプキは、寝転がりながら、強に聞いた。

「ぱー、お前が手伝ってくれると、もう少し早くう進みそうだよ」
「じゃあ、手伝ウ」

パプキは、布団の上に自分の残像を残して起き上がり、目で追えない速度で着替えを終えると、いつの間にか手を洗い終えて、味噌汁に入れるネギを刻み終わっていた。その時間、反則的だろ、2.5秒。うーん、字余り。

「うわぁ、もうネギが刻まれてる!やっぱりぱーはすごいなぁ…」
「さぁ、最ちゃん、ねぎ、みそしる、中に、入れる」
「うん。ありがとなっ!」

パプキは腹が減りすぎていて、朝食を早く食べたい一心だっただけなのだが、純粋な強は、ニコニコと、礼を言った。

「できたぞっ!オレ様とくせい、朝ごはんだーっ!!」
「わーい」

4人は座れる、2人では少し大きめのテーブルに朝食を運び、箸を出す。主食のご飯も、パプキは大盛りで、強は腹八分くらいの量をよそい、テーブルの上に置く。
2人で向かい合わせになって椅子に座ると、パプキが手を合わせた。

「いただきマス」
「いただけ!」

これが、宇宙人の朝である。






2人は学校へ行く。
パプキは、全力を出せばすぐに到着するくせに、いつも登下校はゆっくり歩いていく。強のことが心配らしく、学校ではそんなにベタベタしないものの、登下校や休みの日には、べったり、といった感じなのだ。

「あっ、ぱー君と最ちゃんじゃん。おはよーっ」
「リナ、おはよう 」
「おはよーッ!高柳!」

大家の娘である高柳リナとは、マンションがいっしょなので、よく通学路で出会う。パプキは同じクラスのため、一層仲も良い。

「今日も、楽しみ」

パプキはそっと呟く。

家で布団の中にいるより、楽しい場所で過ごせるのだ。
今日はまだ、始まったばかりだ。


人外の宇宙生命の瞳に、この地球はどう映っているのだろうか。

宇宙の神秘、生命の謎。



地球外生命体目線で描かれる、衝撃的物語——、開幕………。

「えぇっ、私、そんなの聞かされてないよぅ…」





変人物語は、なお、続く模様です(目玉、6年生少女番外編始めるってよ)。