コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 6年生少年少女 再会編 2.5 ( No.81 )
- 日時: 2014/02/07 17:13
- 名前: 目玉ヤロウ (ID: QQsoW2Jf)
19.5話
「はっ…!離してください!!」
じたばたと、少年——佐々木たくは、教師に引きずられながら(物理的に)、校長室へ向かっていた。
「駄目だ」
目付きとガラの悪い教師は、構わず片手間でたくを引きずり続ける。
「……俺の中で、テメェはかなり厄介な部類に分別された…悪く思うなよ?」
「はやく…!はやく、みなおに会わなきゃいけないのにぃぃっっ!!」
「…何故、そこまでしてあいつに会いてぇのか……そこから解らねぇな」
たくは、目を見開き、教師を睨んだ。が、もとから優しそうな瞳だったため、あまり『睨んだ』感じはしなかった。
「約束——、です!」
「約束…?」
「もう一人…乙羽は今日、風邪で休んでしまったけど…僕だけでも、約束を果たしに来ようとしたんです!なのに…!」
たくの綺麗な瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。
これには、さすがの鬼畜教師も動じるかと思われたのだが、教師は眉一つ動かさず、言い放った。
「クソガキの昔話はどうでもいい…。全ては、ここのアホ仮面校長と話して決めるんだな…。もう校長室前だ」
教師は、たくが少し落ち着いて、自分の足で歩き出したのを確認すると、掴んでいた手を離してやる。
「……っ!」
————その瞬間。
「…………みぃぃぃぃぃぃなおぉぉぉぉぉぉッッ!!」
たくは突然、待ってましたと言わんばかりの俊敏さで、初等部6年生校舎へ駆け出した。
「ほう……あいつは余程俺を怒らせたいらしいな……!」
教師の背後から、どす黒いオーラが放出されたのを最後に、校長室前廊下には、残像を残して誰もいなくなった。
…いや、1人いた。
「……れいじクン…廊下は走っちゃいけないよ〜?」
本日は般若のお面を装着したマイペースな校長は、職員室でゲットした緑茶を啜りながら、2人を見送る。
「…う〜ん……このお茶、熱すぎて飲めないや…どうしよう……?」
続く……。