コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 共鳴のプラネット【02/02更新】 ( No.41 )
- 日時: 2014/02/14 21:16
- 名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)
第4章 テレビ出演
————————I hide loneliness.(私は孤独を隠してる)
『明日収録だから遅れるなよ』
そんな文面が書かれたメールが響から夕映のスマホに届く。先週、planetの新曲が発売されたため、ここ最近はテレビ収録が続いている。明日は有名な音楽番組「music now」の収録だ。
一緒の家に住んでいるのだから口で伝えればいいのだが、夕映は夜十時を回ると部屋にこもってしまうため、電子機器しか連絡方法がなくなるのだ。
明日に備えて早く寝ることにした夕映は布団にもぐった。
「本日のゲストはカザママイさん、白井康平さん、planetの皆さんです!」
アナウンサーが甘ったるい声で言う。ゲストのシンガー二人は笑顔で観客に手を振るが、planetは一切そういうことをしない。それが「気取らない」と取られ気にいられる場合も多いが、「礼儀がない」と言われることもある。しかし、三人はその雰囲気を崩すことはしなかった。
planetのライブが始まる。フードを深く被り、顔を見せないまま音楽は始まる。
Ioriのつま弾くベースとHibikiの勢いのあるドラム、そしてYueの弾くギターと歌声が重なる。
癒えることなんてない
傷を負いながらも
明日を追っている
空を見上げられるように
「僕は誰なのか」と
問う日が続くけど
「君の名前は……」と
教えてくれた君は誰?
「僕のナマエ、君のナマエ」というHibikiが作詞作曲した曲を歌う。迷い間違えて、「答え」を探すけれど見つからない……という思春期を描いた歌だった。
力強く、切なさが残るYueの歌声が響く。このまま歌い続けたら壊れてしまうんじゃないかという声。しかし、Yueの歌声は自ら「壊れたい」と懇願しているようだった。
それをIoriとHibikiは感じ取っているのか。分からない。
収録が終わり、迎えの車が来るまで楽屋で待つ。読書をしていた夕映の元へ一通のメールが届く。
それは、プロデューサー、陸也からだった。
『夕映も曲作り、挑戦してみる?』
「……え?」
思わずそんな声を発してしまうほどにそれは驚く内容だった。
第4章 完