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Re: モノクロ:コード ( No.6 )
日時: 2014/01/09 00:35
名前: 紗銀 (ID: Ga5FD7ZE)

「は?」
 反射的に僕はそう答えた。いや、そのようにしか答えられなかった。
「あの、さっきから言ってるコードとかって……」
 ヤバイ、倒れるぞコレ。目眩が激しく攻撃し、耳鳴りが聞こえる。

「はいっ! あなたはコード:07、明人ですっ」

 コード:07とは何だろう。どうやら僕は頭を強打したようだ。そう信じたい。

 いや、そもそもだ。
「何で名前知ってるの?」
 もうどうにでもなれ。ヤケになった。そして彼女は相変わらずの笑顔で答える。
「はいっ。それはアナタが私たちの仲間になる人だからですっ」
 ——仲間……!?仲間って何のだよ。
「……」
 もう、無言で硬直するしかなかった。どうする。僕は……、どうするべきか。帰るべきなのだろうか。
 しかし、帰り道どころかここの場所すら分からない。よって、逃げられない。絶望だ。

 瞬間——、声。

「瑠璃ー、アンタ一人で何喋ってるの。それとも、あぁ。彼が起きたのね」
 声と同時に扉が開く。
「……っ!」
 息を呑む美しさだった。

 少しだけ肩をチラつかせた着物を着た、妖艶な女性。
 お姉さん。いや、訂正しよう、姐さんだ。

「あー、紀伊じゃんっ。どうしたのっ?」
「どうしたもこうしたもないわ。上から彼をつれて来いって命令よ」

 そして紀伊と呼ばれた女性は、ゆっくりその足をこちらへと向け、進む。紀伊さんが目の前に立つ。甘い、怪しい香りが僕の鼻を包み込んだ。
「あの、」
 瞬間、紀伊さんがズイッと僕の顔の前まで顔を近づける。僕の顔との距離、30cm未満だ。

「へぇ、この子が新しく入ったコード:07? ……軟弱そうだわ。まぁ、覇流が少し不機嫌になるのも分かる」

 出会っていきなり何てことを言っているんだ。そもそも覇流とは誰なんだろう。

「まぁいいわ」
 紀伊さんが顔を戻す。
「行くわよ」
「え、行くって……」
「はいっ! コード管理局ですっ!」