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Re: モノクロ:コード【コメCOME ON!】 ( No.10 )
日時: 2014/01/09 22:21
名前: 紗銀 (ID: xyOqXR/L)

「あの、ええと」
「コードはその命持って怪異と戦ってもらう。医療設備はこの国一番だから安心しろ」

 管理人は僕の言葉を遮って喋る。ただ、機械のように喋る。僕が聞いたことは答えてくれるが、最初から話さねばならないことは、独り言に様に、まるで僕がそのにいないかのように喋っている。だから僕は聞いた。聞くことができた。
「何で僕なんでしょうか?」
 僕がそう言ったとたん、管理人は僕をジッと見つめる。ディスプレイの逆光のせいでその表情は未だに分からないが、先程の紀伊さんのようだった。ただ、顔との距離が大幅にあるだけ。
 そして管理人は口を開く。
「コードに選ばれる子供は、血の繋がりがこの世にない者だけだ」
「え?」
 息を飲み込む。意味が分からない。確かにこの世に僕と血の繋がりがある人は少なかった。それこそ、僕と母さんだけ。父さんは去年病気で亡くなったから、もうこの世にはいない。それで、この世に血の繋がりがない。それは、まさか——。

「僕の……母さんは?」
 声が震えているのが自分でも分かる。足がすくんで、ロクに立っていられない。そして、目眩。
 管理人は恐らく無表情。そしてそのまま言った。
「交通事故で亡くなられた」
「——!」
 言葉が、出ない。足も限界で、木の枝のように簡単に折れて崩れる。喉がカラカラになる。
「何で、いつ、母さ……!」
 出た言葉がこれだけだった。

 この瞬間が僕を変えた。


 この瞬間、僕は血の繋がりがある人がいない、天涯孤独だということを知った。