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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: モノクロ:コード【コメCOME ON!】 ( No.13 )
- 日時: 2014/01/09 23:55
- 名前: 紗銀 (ID: xyOqXR/L)
不思議と、涙は出なかった。軟弱なくせに、何故か強がった。理由なんか分からない。何の得があるのかも分からない。
——ここで崩れたら負けだ。そう、頭の中の僕が言っている。どうせ泣いてもこの涙を拭う人なんかもうこの世に誰もいない。
「もう話は終わりだ。——コード:02」
後ろの扉が開いた。少しだけ、風が頬をかすめる。そして紀伊さんが現れる。
「大方の説明はした。後は頼んだ」
「了解しました。管理人」
「行きますわよ」
紀伊さんが上品に言った。甘い香りが僕を刺激する。
ここで変われ。
ふいに——、声。管理人のでもない、紀伊さんのでもない、誰かの聞きなれた声。
ここでお前は生きられる。
ここで変われ。
お前にはそれができる。
自分の——声だ。聞き飽きた声が僕の脳内を駆け巡る。
過去を振り切れ。
そして——戦え。
どこかが波打ったように振動した。
戦え。
自分が自分にそう告げた。過去の自分が今の自分にそう告げた。
「……っ」
逃げちゃダメだ。逃げたら終わりだ。それこそ本当に一生孤独だ。
「紀伊さん……」
「何ですの?」
僕は宣言する。軟弱なりに、高々と。
「僕、戦います」
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