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Re: モノクロ:コード【参照50超絶感謝!】 ( No.23 )
日時: 2014/01/10 01:48
名前: 紗銀 (ID: xyOqXR/L)

「次は私ですわね」

 そう言って紀伊さんは僕の横から移動し、僕の前に立った。そして、胸を張って言う。

「コード:02紀伊、年齢は17歳。覇流の一つ下ですわ。よろしくですわ、明人」

 肩を少しだけチラつかせる、和服美人。17歳、年上だった。一回言ったことをもう一回言うが、姉さんではなく、姐さんだ。そして、妖艶な笑み——。この上ない美人だった。改めてジックリと見た姿に、思わず声を失う。

「じゃあ、次は私ですかぁ?」
 それは語尾を伸ばす、特徴的な少女だった。その少女が立つ。

「えっとぉ、上総ですぅ。年齢は16。よろしくお願いしますぅ、07番」
 訂正しよう。語尾を伸ばし、棒読みで喋る少女だった。誰にも負けない不思議ちゃんだった。もしかしたら生きていた中で一番の不思議ちゃんかもしれない。そして、同年齢である。もしかしたら仲良くやっていけるかもしれないと僕は少し心を弾ませた。

「上総ちゃんは天然なのですわよ。気分屋で自由気ままなのですわ。そこが可愛いのですの」
 紀伊さんが小声で華やかに僕に話す。この喋り方のトーン、紀伊さんのお気に入りは上総なのかもしれない。いや、訂正しよう。紀伊さんのお気に入りは上総である。

「じゃ、次は俺だな」
 そう言って立ち上がったのは、男の子。元気っぽい、瑠璃タイプの男の子だった。どこかさっきの上総さんに似ている。

「越後だ。上総の双子の弟だから、年齢は一緒。よろしくな、明人!」
 予想通り、元気だった。そして、上総とは双子だと言う。それは予想外と言えば嘘になる。凄く似ているのだ、顔も姿も。
「お前……」
 先程まで元気に喋っていた越後が急に神妙になって僕の顔をまじまじと見る。その唐突な行動に、僕はドキドキした。
「今何していいのか分かんねぇのな!」
 とびっきりの笑顔で言われた。当たりだと思う、と心の中で小さく突っ込みを入れた。わざわざここで言う必要ないじゃないのか。誰もが同じなんじゃないのか、そんな不安。ドキドキを返せ。
僕が心の中でネチネチ言っていると、越後は言葉を続ける。

「珍しいな! ここに来る奴らだと月夜と瑠璃しか見てねぇけどよぉ。2人ともハキハキしてたぞ!」
 彼は笑顔でそんなことを言う。だが、そんなこと言われても困る。だって僕はその2人とは違うから。この中で一番弱いのは、僕だろうから。