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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: モノクロ:コード【参照50超絶感謝!】 ( No.30 )
- 日時: 2014/01/10 20:21
- 名前: 紗銀 (ID: Mu5Txw/v)
「まぁ、気にすんな! 何があっても俺が見抜いてやっから!」
とびっきりの笑顔で再び言われた。そして一体僕に何の得があるのだろう。
だが、こいつは危ない。どんなこと思っても些細な僕の動きを読み取るだろう。
そしてこいつは恐らくKYだ。ある意味一番危険な存在でもある。
そう、僕の16年の人生がそう告げる。
「俺だな」
僕がグルグルと越後について考えているとき、そんな僕をよそに話を進めようとしている冷たい声が僕の耳に入る。その声は冷え切っていて、冷たいというよりも、痛い。空気が180度変わったのを感じた。
「コード:05 月夜、17歳。以上だ」
空気さえも冷たくなったような感じ。ただ、そう思えるのは僕だけみたいで。越後に至っては、とびっきりの笑顔で僕を見つめている。
「気にしないで欲しいですわ。月夜は人と接することが苦手なのですの。超クールとでも思ってくれればいいですわ」
紀伊さんが軽く僕に小声で言ってくれる。クール、か。ただ僕にはそれ以前に彼には何かあるような気がするように見えるが。紀伊さんは気づいていないのだろうか。それとも、本当は知っていて、隠しているのだろうか。
「はいはーいっ! 最後に私ですねっ!」
こんな冷え切った空気(僕だけがそう思っているみたいなのだが)を切り裂くように、軽快に弾けた声がした。紛れもなく、瑠璃だ。
僕が目を覚まして、一番初めに会った子。あの白い部屋に異様な存在でしかなかった、緑色の女の子。
「明人君も知ってると思うけど、改めて自己紹介っ! コード:06 瑠璃でーっすっ! ちなみに15歳で、明人君の一つ年下っ。よろしくねっ!」
明るすぎた。冷え切った空気をひっくり返すのに、十分すぎる明るさ。
僕がこの温度差に慣れるのは、まだ先だろう。
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