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Re: モノクロ:コード【参照100超絶感謝!】 ( No.47 )
日時: 2014/01/13 18:30
名前: 紗銀 (ID: EZ3wiCAd)

【番外編】

登場キャラは寂一 手伸 様からいただきました。



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両手を青空へと伸ばし、私は精一杯伸びをした。
今日は天気がとてもよい。鳥の可愛らしい鳴き声まで聞こえてくる。
私は明人さんも姉御もどうやらまだ寝ているようで、1人暇だったから『家』の上にある庭に来ていた。
ここはコード達が唯一自由に外の空気を吸えたりくつろげたりできる場所で、私はとても気に入っている。

と、私が1人くつろいでいると、ガサッと庭の芝生を踏む音がした。
私は誰だと思い振り返る。
「…………」
月夜だった。
彼は私の姿を確認すると顔色一つ変えず『家』へと戻って行こうとする。

「あーっ!」

だが、その月夜の足の動きはこの叫び声で停止させられる。もちろん私が出したわけではなく、むしろ驚いた側の方なので反射神経でその声へと振り向く。

そこにいたのは、一人の女の子。
ゴスロリの服を着ており、ツインテールで結んだピンク色の髪の毛を揺らしながら彼女は庭の作の向こうに立っていた。

「えとっ」
月夜は黙ったまま一歩も動かずこちらを見ているので、私は彼女に声をかけてみる。月夜はどうか知らないが、この子、どこかで見たことあるような気がするのは私だけだろうか。

私が話しかけて数秒、沈黙があった。
だが、その沈黙を破ったのは彼女だった。まあこの場合次に言葉を発するのは彼女で正しいと思うが。

「瑠璃ちゃん! 月夜!」
彼女はそう私達の名前を叫ぶと嬉しそうに顔を輝かせた。
「あ、もしかしてっ」
私はこの声を聞いた瞬間、思い出した。数日前にもあったこの月夜との庭での出会い。そこで出会ったピンク色の彼女。
「確かこの前道を教えましたよねっ!」
「そう、花牟!」
「また会えるなんて思っていませんでしたっ!」
キャアキャアと私と花牟ちゃんがはしゃぐ。それを見た月夜は面白くなかったのか自分に用件はないと思ったのか、無言で『家』へと戻っていった。

「月夜帰っちゃったね。えぇっと……私嫌われた?」
月夜のことがそんなに気になるのだろうか。そこにはムスッとした私がいた。理由は簡単で、彼女が月夜のほうを気にしたから。嫉妬である。

だけど、ムスッとしていても彼女に悪い。せっかく会えたんだ。少し話したい。
「何でこちらにっ?」
「あ、あのね、この前道聞いたお礼がしたくて。そして瑠璃ちゃんにも会いたくなって来ちゃった」
えへへと笑う彼女はとても可愛い。私はいつの間にか彼女に尊敬も抱いているのかもしれない。

「瑠璃ちゃんこの前は助かったよ!」
深々と頭を下げる彼女。私は精一杯微笑んで言う。
「花牟ちゃんのためならっ!」

数日前に迷い込んで道を聞いてきた彼女。私と月夜が持っている知識で道を教えてあげた。それ以来の再開。私と花牟ちゃんはどうやら波長が合うらしい。

私は明人さんと姉御のことを忘れ、許す限り花牟ちゃんと喋った。



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寂一 手伸 様、素敵なキャラクターをありがとうございました!