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- Re: モノクロ:コード【参照200感謝!】【瑠璃プロフ更新】 ( No.58 )
- 日時: 2014/01/15 01:45
- 名前: 紗銀 (ID: 3z0HolQZ)
「おっと、つかこんな所で喋ってていいのか? 次あるんだろ? もう俺も引っ込むよ。あとは瑠璃頼んだぜ」
先程まで陽気に喋っていた人物の言葉ではないが、その言葉を瑠璃はハッとしたような表情をし、慌てて僕へ叫ぶように言う。
と同時に僕らに何も言わせず、越後は扉を閉めた。
それを確認した瑠璃は、僕へと話しかける。
「じゃあ次行きますよっ! 次は上総さんの部屋ですっ!」
上総さんか。確か僕の記憶が正しければ越後の双子の姉で。あぁ、そうだった。よく分からないしゃべり方をする超絶な不思議ちゃんだったんだ。
「明人さん?」
つい何分か前のテンションとは違う瑠璃。
直接は言えないが、瑠璃と越後の関係に僕は嫉妬をしているんだ。そんな風に友達として触れ合うことに。
友達なんてものもいいのかも。そう本気で思ってしまう。僕は友達がいなかったから、そんな経験体験以前の問題なのだ。本当、僕には何のとりえがあるんだか。
「明人君、行きますよっ!」
背が背なので少し覗き込むように瑠璃が僕に言う。気づかないうちに、少し過去のことを思い出していたみたいだ。もう忘れたと思ったのに。あぁ、ダメだ。またネガティブ思考になってしまう。
「置いていきますよっ!」
「うわぁ!?」
急に僕の体がひねった。いや、のげぞった、のほうが正しいのかもしれない。とにかく体が反った。それは瑠璃が僕の背中を押していたのだが。これ以上の深入りは『家』案内が終わってからにしよう。そうだ、と僕は思いを心にしまう。
「あぁ、ごめん! ちょっと考え事なだけ。じゃあ上総さんのところに行こうか」
瑠璃が少し心配そうな目で見てきたので僕は慌てて口答え。
「考え事ですかっ。何かあったら何でも言ってくださいねっ!」
本当にいい子だ。なんだかこちらが申し訳なってくる。
瑠璃はそのまま何も要求しず、僕を追い抜いて歩いた。そしてクルッと振り返って言う。
「明人さーんっ! 行きますよぉーっ!」
変わらぬ笑顔で。彼女なりに僕を気遣ったのだろう。僕は自分の情けなさに笑えてきたがここでそんなことしても意味がない。
「待ってってば!」
だから僕は考えるのをやめた。
越後の部屋訪問を終え、次に向かうのは上総さんの部屋。