コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

▼ ( No.35 )
日時: 2014/02/03 22:14
名前: 御子柴 ◆InzVIXj7Ds (ID: qNIh9ax1)





 朝、行き成り華が俺ん家にやって来たのかと思ったら、直ぐにキッチンへ直行。
 訳が解からない俺は、華に「どうしたんだ」と質問した。

「ん〜、何となく料理をしたかっただけ」

 ……なんだそれ。まぁ、華の料理は美味いからそのまま作らせてるけど。

 暫くしてキッチンから華の声が聞こえてきた。
 どうやら料理をしながら口ずさんでいるらしい。歌詞が分からないのか、所々鼻歌雑じりだ。
 そんな所も可愛いと思った。普段は言えないけどな。

「何ニヤついてんの?」

 そんな事を思っていたら、突然背後から声がした。
 華、いつから居たんだよ。

「ねぇ、聞いてる?」
「あぁ、聞いてる聞いてる。何でもねぇよ」

首を傾げる華。くそ、可愛いじゃねぇか。

「で、料理は出来たのか?」
「あっうん! 出来たよ、完璧だよ!」

 ちょっと待っててね、と言って料理を取りに行った。
 「おまたせ〜」という声と共に華が料理を持ってきた。その手には大きな皿に、大盛りのパスタ。

「お前どんだけ作ってんだよ」
「あははは〜、作り過ぎちゃった?」
「『ちゃった?』 じゃねぇよ! どんだけだよコレ」
「まぁまぁ、全部食べられるって、これくらい。だって……」

 ん? な、何だこのしんみり感は。ももももしかして別れ話か!? 別れるから最後に一緒に食べよう的な感じか!? やべぇ、早く何か言ってくれよ華! オイ何か言ってくれよ!

「だって……今日は初デート記念なんだもん!!」
「…………はい?」
「だからー、今日は初デート記念なの!」
「……まっ、紛らわしいなぁーオイー!」

 ガクッと項垂れる俺。ホント紛らわしい……。そんな俺とは裏腹に、とても楽しそうな華。
 俺は楽しそうな華の腕を引っ張り、抱き締めた。

「わわっ! どうしたの!?」

 行き成りの事でビックリしている華。目が点になっている。
 理由は言わずに、華の頬を引っ張る。柔らかいな、なんて思ったり。華は「痛いよー」なんて言ってるが、顔は笑ってる。

「……料理は温め直せば良いか」
「え? 何て——」
「いただきます」



■ 普段は言えない事





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その後、美味しく頂きました。


初デートの記念日は覚えていない派の御子柴です。

(2014.2.3 修正)




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