コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ♪ ( No.68 )
- 日時: 2014/02/16 23:24
- 名前: 御子柴 ◆InzVIXj7Ds (ID: qNIh9ax1)
学校帰り、俺は年上の彼女である朋美に「家で夕食食べない?」と誘われ、朋美の家にお邪魔する事になった。朋美の家に着きドアを開けると、そこにはエプロン姿の朋美が。普段は何もしていない長く綺麗な漆黒色の髪の毛が一つに束ねられていて、色白いうなじが見える。何というか……堪らない。
上がってと言われ中に入ると良い匂い。もう既に料理が出来上がっているらしい。グゥ〜と盛大に腹の虫が鳴る。俺は腹を擦りながらイスに座った。
そわそわする。
何故そわそわするのかと言うと、今日が特別な日だからだ。そう、今日はバレンタイン。俺達が付き合って初めてのバレンタイン。朋美からのチョコが欲しくてそわそわしているのだ。いつ渡してくれるんだろう、どんなものをくれるんだろう、そんな事を考えていると無意識に身体が揺れる。決して変態ではない。
「どうしたのよ。身体揺れてるわよ?」
「えっ、いや、別に」
そわそわしていたら料理を運んできた朋美に指摘された。いやいや何でもないですよ。俺ははぐらかした。朋美は「そう?」と言って、持っていた料理をテーブルの上に置き自分も座った。
朋美の料理は美味い。初めて食べた時は本当にほっぺたが落ちそうな位美味かったのを覚えている。だからバレンタインのもさぞ美味いんだろうと楽しみにしているのだが、一向に渡す気配が無い。もう夕食は食べ終わり、残ったからとプチトマトが出されただけ。俺は話を切り出した。
「なぁ、今日何の日か……知ってる?」
「んー? 今日何かあったかしら?」
ま、マジか!? 朋美は本当に分からないらしく、頬に手を添えて考えている。そんな姿も堪らない……、っじゃなくて。
「えっ、きょ今日さ、バレンタイン……なんだけど?」
「あらー、もうそんな日? 一年って早いわねぇ」
朋美は「忘れてたわぁ、年齢(とし)かしら?」なんて笑っている。そんな年齢でもないだろ、と言いたいところだが今はそんなのはどうでも良い。
「えっ、今日バレンタインって知らなかったのか!? じゃ、何で今日家で食べようって誘ったんだよ?」
「ただ単にご馳走したかったからよ?」
「そ、そうっすか……」
一応朋美にチョコはあるのかと訊くと、即答で「無いわよ?」と言われた。ま、マジかぁ……無いのか……。ショボーンと、その効果音の通りがっつり落ち込む俺を見て呆れた様に朋美が言う。
「……そんなにチョコ欲しかったの?」
「ったりめーだよっ!」
愚問だな。俺がどれ程チョコが欲しかったか。ここ一週間はチョコの事で頭がいっぱいで授業の内容なんて一切入って来なかった。いや、いつもだけど。もうその位欲しかった訳だ。だが、だが……、あぁ、涙がちょちょ切れるぜ……。
そんな事を思っていれば朋美が「そうなのね……」と何かを考える様に呟く。その様子に俺はクエスチョンマークを浮かべた。
「はい」
「っ、」
何だろうと思っていると、朋美は皿の上にあるプチトマトを一つ手に持ち、自分の唇の前に持っていき、チュッと口付けるとそれを俺の口へと放り込んだ。その色っぽい動作に俺は瞬きもせず釘付けになる。
「チョコは無いから、これで我慢してね?」
するりと俺の頬に手を滑らせ、妖艶な笑みで俺を見る朋美。
「じゅ、十分……です」
甘酸っぱい筈のプチトマトが特別甘く感じた。
■ チョコの代わりに
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一応お題の『OL×男子高校生』をイメージして書きました。
ハッピーバレンタイン! ……過ぎましたね;;
皆様はどの様なバレンタインを過ごされたのでしょうか?
私は“でぶ活デー”でした。皆女子力高過ぎ(゜◇゜ ) 美味しかったです。
彼、友人、バイト先の方々、家族etc.、色々な方に配りました。
いやもう、辛かったです……_(:3 」∠)_
一部の男性陣には既製品のキット●ットを配ってしまい誠に申し訳ry
気持ちは込めた。
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