コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界も涙も帰宅部も<▼作者はツイッターを始めた> ( No.150 )
- 日時: 2014/07/21 14:58
- 名前: 栗おこわ (ID: sluLeqWs)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
第80話 夏休み
7月20日—…。終業式。
そしてその後に通知表を渡され—…。
そう。待ちに待った…
「「夏休みやあああああああ↑↑フウゥゥゥゥゥ↑↑」」
クラス全員合唱の夏休みである。
もう一度言う。夏休みである。
「暑い日が続き、死ぬかと何十回思ったことか…」
あさが「うう…」と涙を拭う素振りをする。
「ああ…長い戦いだった」
のってやるか。特別だぞ。
「戦友よ、これからが天国だ。共に今日、祝杯をあげようぞ」
ガッツポーズを決めた後「ごほん」と咳払いをする、あさ。
「…え、まじめに?」
いつもまじめなんだか、冗談なんだか分からないので一応聞く。
「うむ。今日1時、御主の家でな。聖なる機器を使い遊ぼうではないか」
マジか。
「えーっと、ゲームな?おっけ。お菓子用意しとく」
「え!マジ!? じゃ、じゃあ、水羊羹しくよろ!!」
「いやだね。戦士はどこいった」
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3時、悠馬の家。
「ちぇー。水羊羹ねえのかよーー」
「ねえよ。今からローソン行けば?」
「いい。暑い」
俺の部屋…には、エアコンがないのでリビングでwiiをすることに。
「朝日くん、お昼食べてきた?」
と、お母さんが聞く。
「あ、はい!冷やしうどんを」
そこまで聞いてない。
「あら! どうしましょう。朝日くんの分もお昼作っちゃったわ」
「しまった〜」とこめかみをつまむ。それを見てあさが、
「あ、俺、食べますよ?全然腹減ってるし」
ニッと笑い、言った。
「まあ、助かるわ。ありがと!」
「いえいえ。ところで、メニューは?」
「ホイコーローよ♪」
「なんで昼から…」「暑そうッスね…」
つづく
- Re: 世界も涙も帰宅部も<▼作者はツイッターを始めた> ( No.151 )
- 日時: 2014/07/30 16:49
- 名前: 栗おこわ (ID: KjZyd1Q/)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
第81話 バケーション
昼食後
ピコピコとコントローラーのボタンを連打する音だけが響く。
お母さんはドラッグストア。
「なあ悠馬」
おもむろにあさが口を開いた。
「…何?スターとったことは謝るって」
今俺たちは「ハイパーボブブラザーズ」という人気ゲームをプレイしている。ちなみに弟の名前はボビーだ。
「ちがくて。夏休み中、どっか行こーぜ」
視線はテレビのまま、会話なう。
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「ええーーー?どっかってどこだよ」
「それを決めるの!」
先程あさの言っていた「どっか行こーぜ」について論議中なう。
「俺はー、沖縄行きたい!」
「スケールでかいわ!!もっと近場っ!」
「んー…じゃあ、お祭り行こうぜ」
ぴしっと人差し指を立て、堂々と言うあさ。
「お祭りぃ?」
「ん!確か今週の土曜に荘子神社の祭りがあった!」
「荘子神社か…そういえば、近かったな」
荘子神社。皆さんお覚えだろうか? そう。美濃さんの私服…いや、テスト範囲表をコピーしに行った、あそこだ。
荘子神社のお祭りは、荘子神社の祠などはとても小さく、道端にあるお地蔵さんサイズなので、周りの道に屋台が出る。
当日は周囲が歩行者天国となり、結構な盛況っぷりだ。
「ツッキーも誘ってさ!」
「そうだな」
月ヶ崎、最近廊下でくらいしか会ってないもんなあ…。楽しみだ。
「美濃さんとアリーメさんも!!」
「そうだ…アホ!!」
「ええっ!?」
あさが悲壮感の漂う声を出す。
「いーだろ、男だけで!」
「やだよーー。むさいよー。華がないよーーーー」
「いいの!!」
すると、あさはむっとしたようで、バッと立ち上がった。
「いんや、俺は誘うぜ。オッケー貰えたら電話すっから!!じゃな!!」
「え!?」
そのままあさは玄関に直行し、帰っていった…
「バタン」という音のあと、シーンと静まり返った家。
「…おい。ハイパーボブやりっぱかよ」
つづく
- Re: 世界も涙も帰宅部も<暑い(^q^)> ( No.152 )
- 日時: 2014/07/31 14:36
- 名前: 栗おこわ (ID: KjZyd1Q/)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
おまけ
【ハイパーボブ実況】
あ「うわあああ!!イチゴーにやられたあああああああ」
ゆ「ふっ。バカめ。油断しているk…うわあああああ!テコテコの甲羅戻ってきやがったああああ」
ゆ「ブロック叩くなよ」
あ「何で」
ゆ「俺がスノー取る」
あ「タヒね!!」
ゆ「お前!!押すなよ!!水に落ちる!!」
あ「落ちろ…」
ゆ「でかい魚に食われる!!」
あ「その隙に…」
- Re: 世界も涙も帰宅部も<暑い(^q^)> ( No.153 )
- 日時: 2014/08/05 20:40
- 名前: 栗おこわ (ID: KjZyd1Q/)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
第82話 昼
次の日の昼時。俺は、お母さんと兄貴とで昼ごはんを食べていた。
すると、プルルルと電話が鳴った。
「ん。ひゅうまあ、えんわー」
口にご飯を入れながらモゴモゴ喋る兄貴。
「っ、最近俺ばっか出てるじゃん!やだよ!!」
「えー…」
「仕方ないから、良哉出てきて」
「仕方がないってなに!!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「悠馬!海藤くんから」
「あさから!?」
電話を変わるさい「んだよ、俺いらねーじゃん」と兄貴がぶつくさ言ってた気もするけどそこはスルーでいこう。
“やっほー”
「お、おう…えっと、おk取れたのか?」
こいつと話を長くする気はない!!さっさと昼ごはんに戻るまでだ!
“もち!!3人ともオーケーだってさ♪”
と、電話口からるんるんのあさの声が聞こえてくる。
「そっか。…どんな手を使った」
「使ってねーよ!!!!」
つづく
- Re: 世界も涙も帰宅部も<暑い(^q^)> ( No.154 )
- 日時: 2014/08/20 19:14
- 名前: 栗おこわ (ID: R1Rd.hdi)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
〜本編の前にアホから〜
こんばんは、栗おこわです!
今まで放置していてすみませんでした!!
「うへへへ夏休みだうへへ」とまさにアホになっておりまして、はっきり言って怠けてました!宿題もやってない!!
見捨てないで今、このページを開いていただき、ありがとうございます!
ぱっぱと始めますんで!!
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第83話 ニセモノ
考えてみれば、去年はお祭りに行っていないかもしれない。
あさからの電話のを切った後、ふと思い出した。
なぜって、去年の夏は悲惨なことに40度の熱をだし、寝込んで過ごす日々を送ったからである。
「ねえお母さーん」
「なあにーー♪」
ニセモノだ
「兄貴じゃねえ」
「何?」
本物だ
「俺、甚平とかあるっけ?」
「甚平?」
「そう。じんべい」
お母さんは「んーーー」と悩みこんだ。
「あ、悠馬のさ、小学5年のときに買ったのならあると思うぜ?」
と、兄貴がひょうひょうとした口調で言った。
「あら、ほんと?じゃあ、物置にあるかもね…悠馬!探してきなさぁ〜い!!」
「え…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
浴衣か…。
……美濃さんも、浴衣なのかな。
……
………
…………
…死ね、自分
つづく
- Re: 世界も涙も帰宅部も<暑い(^q^)> ( No.155 )
- 日時: 2014/08/22 21:11
- 名前: 栗おこわ (ID: R1Rd.hdi)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
第84話 涼
—そしてついに当日—
俺たちは、荘子神社前のコンビニで落ち合うことにした。時間は6時30分。今は、27分といったところだろうか。
すでに俺・あさ・美濃さんは着いている。あとは月ヶ崎とアリーメさんだ。
あさと俺は甚平、美濃さんは…
「み、美濃さん、その浴衣…」
「ん…?ああ、浴衣屋さんでレンタルしたの」
なんと、なんと浴衣だ。
美濃さんは浴衣の裾を持ち上げて「変じゃないかな?すっごく違和感があるんだけど…」と元気なく言った。
「いやいやいや、すっげー似合ってマスッ!!」
あさが意気揚々と身を乗り出す勢いで言った。
「ほら、悠馬も」と肘で突かれ、俺も
「そ、そうそう!柄も美濃さんらしいチョイスで、いいと思います!うん!」
穴があったら入りたいほど恥ずかしかったが慰めた。
それを聞いた美濃さんは「ありがとう」と微笑んでお礼を言った。
ああーーー。なんていい人なんだーーーーーー…
その時
「美濃さん、久しぶりですね」
「「「!!」」」
声のした方に振り向くと…
「つ、ツッキー!!」
ツッキーもとい、月ヶ崎凌駕が立っていた。
「お前、洋服かよ…」
あさが「けーわいだなあーー」と溜息をついたが、そんなのは目にも耳にもくれず、月ヶ崎は美濃さんの方へ向かって行った。
「ほんとに、久しぶり…!月ヶ崎くんに会うの、何ヶ月ぶりだろ」
美濃さんが嬉しそうに言う。
「ですねー。やっぱりクラスが違うとなかなか会う機会ないですもんね」
月ヶ崎が苦笑して返す。
な、なんだあれは…!結構いいムード…!!談笑かよ!!
まるでカ、カ、カップルの再会みたいな…
ところが月ヶ崎は談笑をやめ、俺のほうに
「なあ、アリーメさんって人、どんな人?」
「え?アリーメさん?…そっか、知らないのか!」
「うん」
〜アリーメさんについて説明中〜
「…つまり、ハーフで銀髪の目は青くて美濃さんレベルにかわいい人…」
「そういうことだ」
「…」
「…」
「お前らだけどうしてそうかわいい人達の多いクラスに…」
「フッ」
「コロス!!!」
「ぎゃーーー月ヶ崎!!クールはどこいった、クールは!!」
「うるさい!!」
「ぎゃーーー!!首絞めるな!!」
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31分
「…アリーメちゃん、来ないね」
美濃さんが時計を見ながら言う。
その時
「遅れてすみませーーん!!」
「「「「!!」」」」
「アリーメちゃん!」「「アリーメさん!」」「へえ…あの人が…カワイイ」
「フウ…ごめんなさい、お金を忘れてシマッテ…」
「ううん、いいよ」
美濃さんが俺たちの顔色を伺ってから返す。
「よかった」とアリーメさんはホッと一息ついた。
すると、斜め前に立っている、月ヶ崎に視線を向けた。
「…?コノ方は、誰かのお兄さんデスカ?」
「お、俺? つ、月ヶ崎凌駕だけど…」
しどろもどろに応える
「へえ…。私、ノメリヤ・アリーメと言いマス。日本語おかしくなることいっぱいありますけど、よろしくお願いします♪」
「アリーメさん、ほんとにきれいな眼ですね」
「え…」
月ヶ崎がアリーメさんの眼をじっと見つめて言う。
アリーメさんは恥ずかしそうに下を向いた。
…なんだよ、いい雰囲気じゃん
つづく
- Re: 世界も涙も帰宅部も<暑い(^q^)> ( No.156 )
- 日時: 2014/09/03 19:35
- 名前: 栗おこわ (ID: R1Rd.hdi)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
第85話 おさな!?
その後、俺らは屋台に繰り出した。
「いや〜、この雰囲気サイコーだよなあああああ!!」
と、あさがご機嫌に言う。
月ヶ崎が「それはよかったな」と視線で言ってる気がする(あくまで個人の意見です)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リンゴ飴、くじびき屋、射的、焼き鳥……妥当な所を回っていく。
それは全員意見一致だった。更に月ヶ崎の意見で「一回全部見回ってから買う」と言うのも採用された。
「月ヶ崎サン、とてもいいイケンデシタヨ〜! お祭り、慣れてるんデスカ?」
「え!?」
アリーメさんが興味津々に月ヶ崎を覗き込んでいる。
ちなみに、月ヶ崎は真っ赤だ。
「…!!」
「…あさ?」
あさの顔は、今までに一度も見たことのない…悪い意味でなく、変な顔だった。
「…いや、なんでもないや。ごめんごめん」
俺が声を掛けると、あさは「ハッ」となったかと思うと、笑い飛ばした。
「どーしたんだよ、気になるだろ」
「…」
答えたくなさそうな表情だ。
「いや、知り合いに似てて…」
曖昧な答えだった。
「なんなんだよ!」
つづく
- Re: 世界も涙も帰宅部も<暑い(^q^)> ( No.157 )
- 日時: 2014/09/10 18:07
- 名前: 栗おこわ (ID: R1Rd.hdi)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
第86話 なじみ!!?
その後、露店で好きなものを買い、その辺の座れそうなところで買ったものを食べていた。
「この焼きそば硬い…」
「こっちなんかたこ焼きのタコ超小さい!」
「まあ、露店だし…」
苦笑いでそう言う俺を見て、アリーメさんが
「リンゴ飴一個300円もぼったたりデスカ?」
……ん?
「あ、ぼったくりね。ぼったたりじゃなくて」
月ヶ崎が苦笑しながら言う。
「あ、アハハッ。マチガエ、マチガエ!!」
ぺロっと舌を出しておどけてみせるアリーメさんに場がどっとわく。
その時
「あれ、朝日…?」
あさの名前を知っていたその女の人は、ピンクで花柄の浴衣を身にまとい、髪の毛はハーフアップできれいにまとめられている。
パッと見、お姉さんキャラだ。
そのお姉さんに呼ばれた男、あさ。…え?
俺があさの方に視線を向けたとき、あさは勢いよく立ち上がり、大きな声で叫んでいた。
「五十鈴!?」
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「三嶋五十鈴(みしま いすず)といいます、よろしく。ええと…高2だから、君たちの2つ上かな?」
三嶋さんは軽く会釈しながら自己紹介をした。
「朝日とは…んーーー。幼馴染だかな?」
えへへと表情を緩ませて言う三嶋さん。どうやら、想像していた以上にお姉さんタイプのようだ。
その三嶋さんと幼馴染というあさは、頑として三嶋さんに視線を向けようとしない。
そんなあさをみかねてか、三嶋さんが
「おやおや〜? 朝日、両隣のかわいいこ達は誰かなぁーー??両手に華ねえ」
ムフフンとあさを挑発した。
「違ッ!!お、同じクラスの友達だよ」
「ほんと?」
「本当っ!!」
あさの応えを聞き、三嶋さんは「なーんだぁ」と言ってそのままその視線をニコッとして、美濃さんに向けた。
「ねえ、ホントにそうなの?実は…!?」
美濃さんに顔を近づけ、こしょこしょ話をしているつもりなのだろうが、丸聞こえだ。
「い、いえ…ほんとに友達ってだけで…そんな関係じゃ」
美濃さんは三嶋さんにおされて淡々と言う。
なんか同情する…
「ホントなんかぁ〜…外国人さん、ホントに嘘じゃない!?」
「ハイ!?」
「ねえねえ、ホントにそうじゃないの?でもまああの朝日があなた達みないな子に相手にされるわけないわなーーー…」
アリーメさんは、黙ってしまった。どうやら返す言葉を探しているようだ。
「…やめろよ五十鈴。お前、積極的すぎるんだよ」
あさがしぶしぶといった様子で会話に割って入った。
「え? でも朝日が「ちょい関西人だししゃーねえな!」って言ってくれたやん」
「い、言ってねーよ!」
「いんや言った。覚えてるもん」
「ちょちょちょ、ちょっと待て。…ちょい関西人てどうゆうことですか?」
今度は、俺が会話に割って入った。
すると三嶋さんは「ああ」という顔をして、俺に視線を合わせて話し出した。
「私、小さいとき、色んなとこに引越しては引越し、また引っ越し…っていう生活送ってたの。小さいときって言っても3年前だけどね」
「そ、そうなんですか」
月ヶ崎たちも「へえ…」と話に聞き入っている。
「そんで…4回か3回目のときかな、朝日に会ったの。確か私が小4で…皆が小2ね」
あさは聞きたくないのか、俺達の輪から外れたところで聞いているようだ。
「周りの子がなんていうの?ヤンキーって感じで、ハブられちゃってて…」
三嶋さんはその時を思い出したのか、少し俯いた。
だが、口を開くと同時に顔を上げた。
「そん時、朝日が一緒に遊んでくれて。すっごく嬉しかったなあ…」
三嶋さんは今度は微笑んだ。
ちらりとあさを見てみると、恥ずかしそうに背を向けて
「そんなんじゃないぞ!!」
と言った。
つづく
- Re: 世界も涙も帰宅部も<夏休み終わったのに夏祭りなう> ( No.158 )
- 日時: 2014/09/11 18:45
- 名前: 栗おこわ (ID: R1Rd.hdi)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
第87話 気遣い
「あさくん、全然そんなの言ってくれたことなくて…知りませんでした」
美濃さんがあさを見ながら呆れた表情で言った。
「ああ見えて照れやだしね〜」
「ねっ!」とあさにウインクをする三嶋さん。
無論、あさはガン無視だ。
「あ、自己紹介してない!!」
「「「ああ!!」」」
「月ヶ崎サンナイスデス!!」
ビッとグッジョブをするアリーメさん。月ヶ崎は腕を垂らしたままピースをつくってみせた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「えと、俺は月ヶ崎凌駕と言います。朝日の友人です」
「うんうん、よろしくー!」
「私は、紺屋美濃です。あさくんのクラスメートで友達です」
「えへへ、かわいいなーー♪」
「私は、ノメリヤ・アリーメと言いマス。美濃サンとおんなじカンケーデス!」
「日本語上手〜♪」
三嶋さんはニコニコとして皆の自己紹介を聞いていた。
「えっと、東野悠馬です。あさとは中1からの仲…です」
「……」
三嶋さんは…え、何、真顔ですか
「朝日の一番の友達…??」
最大級の疑問府をつけて質問してきた…!?
「ええ…そ、そうでしょうかね…」
「そう…」
俺がたじたじと応える。それを聞いた三嶋さんは俯いて、黙ってしまった。
俺、何かしたっけーー!?
そう思った次の瞬間、三嶋さんはパッと顔を上げた。
その顔は喜びに満ち溢れていて…えええ?
「ほりゃつまり、君があさの親友ってことや!!!」
えええええ!?
「嬉しいばい!!よろしく、東野君!!」
えええええええええ!?
「…よかったな、五十鈴に気に入られて」
「…いや…困る気がする…」
あさの気持ちが分かった気がした—
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その後
「じゃあそろそろ帰ろうか!」
美濃さんが右手に持ったヨーヨーを揺らしながら言う。
「そうデスネ〜。もう結構、暗いですシ」
後ろを振り返ると、あさと三嶋さんが話していた。よし、盗み聞きだ。
「…ってか、何でここにいるの!?」
「ここに引っ越してきたから。いやあ、朝日も引っ越してたとはねぇ」
「う、うん…団地だったからな。狭いし」
「私は今も団地だよー」
「い、いや、別にそういうわけじゃ…!…」
仲良いのな、やっぱw
「ねえ悠馬くん」
「へ!?」
美濃さんが話しかけてきた…な、慣れないな…びっくりした…。
「三嶋さん、美人さんだよね〜」
「え?」
「えって…そう思わないの?」
「お、思うけど…」
いきなりすぎてだな…
美濃さんは頭の上にはてなマークを出しながらも続けた。
「中国人っぽいかわいさだと思わない?」
「ん……?」
失礼だとは思うが、ジーっと見る。
「確かに、チャイナ服似合いそう」
「だよね!」
意見が合って嬉しいのか、美濃さんは笑ってみせた。
やっぱかわいい…!
つづく
- Re: 世界も涙も帰宅部も<ペンタブ買いました> ( No.159 )
- 日時: 2014/09/15 09:40
- 名前: 栗おこわ (ID: R1Rd.hdi)
- 参照: https://twitter.com/inu_kiseki
88話 気持ちの整理
夏休みも終わり…2学期。
「終わってしまった夢の日々よ…」
「あさ、しっかりしろ!!なんか厨二っぽいぞ!!キャラ存続しろ!!」
ゆっさゆっさとあさを揺さぶっていると、西野さんが駆け足にやってきた。
「ひ、東野くんと海藤くんおはよう!」
と言うと、西野さんは笑顔をつくってみせた。
「おう!!」「おはよう」
あさはバカっぽく元気に、俺は片手をひょいと上げて挨拶を返した。
すると西野さんはスカートのポッケからきれいに包装された袋を2つとりだした。
「これ、沖縄のおみやげ!」
「え!!?いいの!?」「マジでーーっ!!?」
あさは大きくぴょんっと跳んだ。なにこいつ…脚力すげえ…
俺があさに驚きの表情を向けていると、西野さんが「迷惑だった?」と悲しそうな目で見つめてきたので慌てて
「そんなことないって!嬉しいよ、すっげー!」
「そーそー!悠馬の言う通り!もらって迷惑なことぁ、ないって」
俺は両手を振って否定し、あさは元気付ける。
西野さんはホッと安堵の顔を見せた。
♪キーンコーンカーンコーン
「まさにザ・チャイム」の予鈴がなり、皆がそそくさと席に着いた。
その1分ほど後、先生が教室に入った。
「よし、日直!挨拶」
学期が明けても怖い蓮杖先生が大きな声で言う。
日直は「きりーつ」とさっきのそれには劣るが、大きな声で号令をかける。まあ女の子だし。
「礼!」
「「「おはようございまーす」」」
「着席」という声の前に皆が椅子に座る。
何度も色々な先生に注意されたが、全く改善しない。だって早く座りたいんだもん。
その後、健康観察・係から・配布物の確認を済まし、先生の話。
「…えー」
先生が教卓の向きを整えながら「…えー」と言うのは癖らしく、いつもこれから始まる。
皆もそれを知っていて、先生がその仕草をした後、姿勢を正す。
「今日は、2学期の2週目だ。先週よりも学校に慣れてきて、つい気が緩んでしまうことは無いと思うが、そういう事はないように。チャイム着席も今まで通りに…」
これが、意外と長いんだ…
つづく