コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:芋ご飯も栗おこわも制覇!! ( No.161 )
日時: 2015/01/25 12:41
名前: 栗おこわ (ID: aGK9cZ.N)
参照: https://twitter.com/inu_kiseki/status/514343937943691264

89話 文化祭に

「……劇?」

「そうです!!」

9月中旬。まだ夏の暑さが時たま返って来る季節。


音縁さんが朝の会で「2年生の文化祭のテーマは、劇です!!」と皆に伝えたのだ。

俺達「河西生」の文化祭は各学年で、歌・ダンス・劇などから一つ選び、そして各クラスでそのテーマから何をするか決める…という方向性なのだ。

…で、今年は、劇だと言うのだ。

「おい、何で音縁が発表すんだよおー」
と、一人の男子が挙手しつつ言った。
音縁さんは「ふんっ」と鼻息をはいた。
「決まってるでしょ、私が文化祭実行委員会なんだから。委員会決めのとき意気込み言ったでしょ?」
と、意気揚々に言った。
男子は「あーそっかぁー。音縁かぁーー」と言って手を下げた。


「…では気を取り戻して。劇なんだけど、何がいいかなあ」
にこにこして皆を見回しながら尋ねる。

すると、ひょいひょいと手が挙がった。

「俺、サマーウォーズがいいー」
「無理」

「俺はシンデレラー」
「お、いいわね。候補候補っと」
コンコン、と黒板に書き記していく。

「私、ワンピース」
「ワンピース…っと」

「俺、オズ」「あたし、銀魂やりたあーーい!!」「ロミオとジュリエット!」「桃太郎!!」「おむすびころりん」

「はいはいはいっと…い、一応言っとくけど、これから多数決で決めるからね!?」
バコバコと出てくる候補に慌ててそういう音縁さんに「知ってるってー」と言う声が続々上がる。
「それならいいんだけど…」と不安気な表情でまた黒板に向かい合った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10分後

「…いっぱい出ました〜!!じゃあ多数決ね!」

音縁さんが教卓にノートを叩き出し「ふふん」と不敵に笑った。

「いや、意味不明だし…」
と、新川さんが引き気味に言う。
それをスルーし、飛び跳ねそうな勢いで「はい、ふっせてえ!!」と叫んだ。

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「はいっ!!いいよ顔上げてください!」

皆が「うう〜」と眼を擦りながら顔を上げる。
め、眼がちかちかする…

「結果いい?言っていい??いい???」

「「「いいよっ!!!(うぜえ)」」」


ぐるんと周りを見渡し、こほんと一つ咳き払った。



「結果、シンデレラに決定しましたあ〜〜っ!!!」

…しばらくの間…の後

「「キャーーッ!!」」「ま、まじぃ!?」「うっそー」

生徒達は一斉に騒ぎ出した。
こ、こんなの授業妨…いや、朝の会妨害だっ!

…ん?なんか背中に違和感が

くるりと後ろを振り向くと、アリーメさんが俺の背中を指でつついていたようで、アリーメさんはニコッと笑って見せた。

「えと…?」
「何ですか」が抜けたけど、伝わる、伝わるさ

「シンデレラって、私の国と同じお話でショウカ…?」
「へ?…あ、ああ!うん、同じだと思うよ」
「カワイソウな女の子がフェアリーに魔法をかけられて、おうじ様のいるパーティへ行く…?」
「うん。パーティじゃなくてこっちでは「舞踏会」っていうけどね」

          つづく