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Re: 世界も涙も帰宅部も<めずらしく暗い雰囲気に注意> ( No.184 )
日時: 2015/02/21 17:36
名前: 栗おこわ (ID: tuHQgCts)

第108話 大広場

「悠馬っ!!……あ、お兄さんにおばさん、こんにちは。悠馬くん借りてもいいですか?」
「え、ええ…いいけど」
「頂きますっ!!」
「えっ、ちょっ!!」
あさは許可をとるがすぐに俺の腕を掴み、大広場まで走った。


大広場に着くと、あさは掴んでいた俺の腕を放し、すぐさまベンチに座った。
何度かこけそうになりながらも引っ張られてやってきたが、こいつの考えていることが分からないので何とも言えない。

「はあはあ…あ、あさ、何だよ」
冬休みで全く体を動かしていなかったことや、少々正月太りしたのが原因か、心臓がバクバクいっている。
あさもなのか、ひいふう言いながら肩を上下させていた。

あさはちらりと俺を見、息を整え終わったのか、口を開いた。
「…このまま新学期って、やばいと…思わない?」
「思う」
重い質問に即答したことに驚いたのか、「え?」と言って俺の顔を見る。
何だかそんなあさの顔が可笑しくて、吹き出してしまった。

「は、はあ?何、何で笑ってんの」
「…いやっ、ごめん。俺も、よく分かんね」
「?? …で、さあ。どうにかしたいと思う訳よ」
座ったまま話し始めたので、俺もベンチに座る。ベンチはキイっと音を立てて、年季が入っていることがすぐに分かった。
「でも、すぐにどうにかできるって訳じゃないよなあ?」
「うん」
…こいつ、ずっと考えてたのかな

「そこで、だ。もしも新学期にみんな元気になってなかったら…」
「…なかったら?」

「一人ひとり元気付けてく!!!」


「あ?」
                つづく