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Re: 緋色のムジュン恋愛帳 ( No.11 )
日時: 2014/01/16 17:22
名前: 杏月 (ID: 5obRN13V)





「葉月凛羽です。宜しくお願いします」

1年B組。
入学式が終わり、今は自己紹介の時間。
小学校や中学校にいた頃にも自己紹介というものはあったが、人見知りな私は
なかなか慣れない。

軽い自己紹介をしたあとに、何人かが拍手をしてくれた。
変なところはなくて、私はホッとし、自分の席に戻る。すると、隣の
席の青年が話しかけた。少し顔は見たが、綺麗だ。

「初めまして、凛羽ちゃん。これから宜しくね」
「えっと・・・よ、宜しく」

上手く目線が合わせれないのと、名前を覚えてないという最悪な出来事になり
言葉が詰まる。

「・・・もしかして、僕の名前忘れた?」
「・・・!! はい。・・すみません」

これはもう嫌われたと思ったが、青年は整った顔立ちで笑う。

「ハハッ! さっき自己紹介したのに忘れたって・・。君、面白いね」
「えっ・・そ、そうですか?」

変わった人だ。
普通、自己紹介もしているのに名前を忘れたら最悪とか・・そういう
印象を持たれるのに。この人の言葉には、それが感じられない。

「僕は、神無月沙空。沙空でいいからね。
 これから宜しく」
「沙空——・・くん?」
「うん」

何故だろう。彼とはまだ会ってから3分も経ってないのに、普通に目線が彼の顔に行く。
何でかは分からないけど、少しだけ沙空君とは仲良くなれそうな、そんな気がした。

「じゃあ・・改めて宜しくね、沙空君」
「うん、こちらこそ。凛羽ちゃん」