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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 緋色のムジュン恋愛帳 ( No.22 )
- 日時: 2014/01/21 18:08
- 名前: 杏月 (ID: EZ3wiCAd)
「・・・どうかしました?」
「え!? あ、いや・・・、私、その漫画大好きなんですよ」
「本当!?」
『大好き』と言った瞬間、美弥乃さんは広い図書館全体に響くぐらい、
大きな音を立てて立った。しかも、目が輝いている。
よほど、嬉しかったんだろう。
「ハァ〜〜・・。良かった、そう言ってくれて。
やっぱり、自分の作品を褒められると嬉しいよね」
それには共感できる。私も、絵が好きでよく描くのだが、前いた学校では
一番上手いって言われた事がある。自分では、そんな事はないとは
言っているが、やはり嬉しい。
「・・・私、卯月美弥・・先生が憧れだったんです。
いつか、アシスタントになって先生の背中を見ていたいって・・」
『卯月美弥』とは多分、美弥乃さんのペンネームだろう。
美弥乃さんは、それを聞いた時「えっ」と声をあげた。
「・・・という事は、貴方も漫画家に?」
「漫画家・・でもいいですし、私、絵が描くのが好きなので
イラスト関連なら何でも・・」
そう言うと、美弥乃さんは「そっか!」と笑顔で応えた。
「じゃあ、今度から手伝ってくれますか?」
「へ?」
いきなりの事すぎて、頭が追いつかない。『手伝ってくれる?』?
・・・つまり、漫画を描くのをという事だろうか。
「・・・・へぇ!!?? い、いいんですか!?」
「はい。だって、ずっと夢を追いかけていたんでしょう?だったら
少しぐらいでもお役に立てれば・・」
優しすぎる。その優しさと、ずっと憧れだった人の手伝いをできる事に
嬉しさが半端なく増した。
「では、今度から宜しくですね。・・・・えぇっと」
「凛羽です。葉月凛羽」
「そうでしたね。宜しく、凛羽ちゃん。
私の事は、美弥乃でいいから」
「はい。宜しく、美弥乃・・・ちゃん」
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