コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 緋色のムジュン恋愛帳 ( No.35 )
- 日時: 2014/02/21 23:00
- 名前: 杏月 (ID: zh8UTKy1)
「ただいまー」
「おかえり、凛羽」
「あ、望架姉」
家に帰ったら私の先に望架姉が家にいた事に驚きは・・しなかった。違う
学校ではあるものの、どっちも今日から授業が始まる。望架姉の学校の
ほうが近いので(あまり変わらないけど)早く帰ってくるのは普通の事だ。
「どうだった、新しい学校は。友達出来た??」
「う、うん、まぁね」
まだ友達は一人・・いや、三人? 二人か。しかし嘘はついていない。
望架姉は、何故か私の学校生活の話を聞くのが好きらしい。理由は
よく分からないけど。
「どんな子?」
「ん? 一人目は、すごい優しい女の子だよ。しかも漫画家!」
「漫画家!?」
予想通りの驚きっぷりだ。確かにあまり高校生で漫画家っていうのは
聞かない。つまり凄いという事だ。
「ほぇ〜、凄いねぇ・・・。他は?」
自分で聞いて、あまり詮索はしないのが望架姉。
「元気で明るくて・・その人も優しい男子」
「人見知りの凛羽にも、男友達できるんだねー」
アハハと笑いながら、微妙に馬鹿にした言い方をした。まぁ、本当の
事だからいいんだけども。
「あとは・・・最低な人」
「最低な人?」
すると望架姉は一気に「え、どういう人!?」と、すごい興味が湧いたらしい。
「だって初対面で、しかも一回も話してないんだよ? なのに、私に敵意
を向けたんだよ!? おかしくない?」
「敵意?」
意味が伝わらなかったかな・・と思ったが、望架姉は「あー、あるある」
と頷きながら言った。
「私も今日、色々と敵意向けられたなぁ。なんでだろう」
それは・・・何となく分かる。モデルの望架姉の事だから、他の芸能人
の人達にライバルとして見られているのだろう。
そんな事を考えていると、望架姉も何かを考えていたのに気づいた。
「望架姉?」
「あのさ、少女漫画によくあるけど・・・。そういうところから
恋が始まるのよね!」
「はい?」
望架姉は何を言いたいのか、私にはサッパリだった。
「今敵意を向けられても、いつか凛羽を好きになるんじゃないか!って
事よ。で、凛羽はどう思ってるの? その人の事」
「はいぃ?! な、ないない!! あの人は絶対に——」
「あの人は?」
気づくとニヤニヤと笑っている望架姉の姿。もう勘弁してください。